試み-Ⅲ-
区切り。
火打石を一気に擦ると火花が飛び、糸へ付いて、繋がっていた糸全てに燃え広がった。
それは後ろの水晶玉にも火がつく。
水晶玉に火がつくということは、寝室にいっぱいある小さな水晶玉にもついたということにもつながる。
水晶玉は家中あるので案の定家が燃えた。
ただ「火の匂い」がしない。
燃えているのは水晶玉であって家じゃないということ。
でも延焼していないところから魔法の火は所詮魔法の火。
それか後ろの火球が熱くないから熱が無きゃ燃えないということか?
ともあれ今まで水晶玉と思っていたものは魔力そのものだということがわかった……と思う。
眼の前の母は口を開けたままで突っ立っている。
後ろを振り向き固まる母と燃えるの家を見つつそんなことを考える。
後ろの火球は熱くないが、火なので普通に眩しい。
そういえば家に光源がなかったな。
家中にある大量かつ小さな燃えている魔力球を後ろの火球まで集める。
糸を手繰り寄せるように一つずつ集める。
大きかった火球が更に大きくなる。
それを縮める。
大きさはビー玉大の大きさとなって、とても眩しいものになった。とてもじゃないが昼でも目が開けられないほどに眩しい。
今は昼間だけど、夜になったらいい照明になりそうだ。
そうだ。
今、全方向に光っているけど一方向へ向けるとどうなるだろうと光源にカバーをするように少しづつ調整していく。
光の漏れが激しい懐中電灯もどきが完成。
まだまだ光の全方向照射の主張が激しい。
だけどランプ替わりにするには上等かなあと思う。




