宣告
「君は不慮の事故で、死んだ。いいね?」
気づけば私は、真っ白な場所で一人立ち尽くしていた。
ここは何処? 貴方の名前は? 「死んだ」ってどういう事?
混乱する頭の中で必死に紡ぐ。
そんな私を見透かす様に話し続ける謎の声。しかし見渡せど姿は無い。
「落ち着いて、もう一度話すよ、いいかい? 君は死んだんだ。今から4時間前になる。雨の交差点で赤信号を無視した車に轢かれたんだ。これだけはもう戻しようが無いからね。いくら僕が神でも失ったものは戻せないよ」
さらに私に疑惑と混乱を招いた。
「ど……どういうことなんですか?」
ついに口から押されて出てきた言葉に謎の声の人のため息が聞こえる。
「もう……話くらい聞いてくださいよ」
それから声の主は急いでるのか矢継ぎ早に箇条書きのように話す。
まとめるとこうだ。
·死んだ
·予定外とかじゃなく、現世に行き先ありません
·異世界に飛んでもらいます
·ばいばい
とのこと。
声の人は最後に思い出したかのように話した。
「あ、そうそう。これで記憶がないのはちょっと酷だから記憶だけは残して置いてあげる」
そして「じゃーねー」と間の抜けた声とともに意識を手放すことになる。