表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白の涙。  作者: 朝登 優
7/11

ねずみ色の成因。


「先生、今日は帰る、ね」

「え…あ、甲斐崎!」

『へ?甲斐崎?』

「…ユキ…てめぇ」

『えっ俺?なに怒ってるの先輩』


 大切な人との逢瀬を邪魔した後輩は、訳が分からない、と電話の向こうで本気で悩んでいるようだった。


 いや、こいつが悪いんじゃない…俺が空気を悪くしてしまったのだから。

 あと強いて言うならこいつの名前が『美幸』と書いて『ヨシユキ』と読むが為によく勘違いされるというくらいで……


『…先輩?』

「…はあ…や、いい。でなんだよ、返答しだいではコロス」

『ちょ、ちょっと聖職者がコロスとか言わないでよ…ねえそれより甲斐崎って…彼女?』

「ああ?…違うよ」


 彼女、ではない。

 男だし。


『ふうん、じゃあ彼氏だ』


 隠す気はないけど、相変わらずこいつはばかだ。


「そうだよ」

『え、マジ?』

「悪いか?」

『まさか。応援するよ』

「ほう?たった今お前のせいで帰っちまったんだが」

『え…あ、すんません』


 ソファに深く座りなおしてタバコをくわえる。

 最近は禁煙してたんだけどな…


「で、用件は」

『あ…それが…』


 この後、乗用車と事故ったというこいつを迎えに行くことになり、あまつさえ家に送り届けてやった。

こんなやつ放ってすぐに甲斐崎を追いかけたかったけれど、まだ、俺にはそれをする資格がない。



 しかしまさか送り届けた先で甲斐崎に逢えるなんて、俺は信じたこともない神に生まれて初めて感謝した。





 …驚いて目を見開く甲斐崎がひとり泣いてなくてよかった、なんて柄にもなく思った。





      

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ