白の夢路。
手を繋ぐ夢を見た。
先生と町中で堂々と手を繋いで歩く夢。
一晩中身体を繋ぐよりそれはとても幸せなことだと思った。
「ん…」
「おはよう、甲斐崎」
ベッドのふちに座る先生が僕の額にかかる髪をそっと払ってくれた。
ここは自分の家じゃない。確か土日で先生の家に泊まる予定で、シたあとに寝ちゃったんだ…
「どのくらい寝てたのかな」
「んー…十分程度かな。お風呂、あたためてきたよ。はいる?」
「…うん。ありがと」
自分で起き上がってお風呂に向かう。
先生が着させてくれたんだろう、1回り大きいワイシャツを羽織っていた。
シャワー室でワイシャツの匂いを嗅ぐと先生の匂いがした。
(…なんか変態みたい)
自分の行為に反省してさっさとシャワーを浴びる。
さっきの夢が頭の片隅にこびりついていた。
「明日は都内に出て買い物にいこうか」
「えっ?」
「デート。行きたくない?」
行きたい!けど誰かに見られたら…それにデートって!
「だから都内まで出るんだよ。はは、甲斐崎は思ってる事が顔にすぐでるなぁ」
「な…っからかうな!」
「ね。行こうよ」
テーブル越しの向いに頬杖をついて座る先生は楽しそうに笑った。
「…うん」
最近は先生とこうしてよく何処かに出かけることが増えた。
どうしてデートなんて言葉を使うんだろう。僕を喜ばせてどうしたいんだろう。…勘違い、してしまうよ
「先生は、凄い」
「ん?なんで」
「だって先生は言葉だけで僕を殺せるもの」
「意味がわからない、よ甲斐崎」
わからなくていいよ、先生。
だからお願い。どうかもう少しだけ、勘違いさせて下さい。
夢が現実になるまで、あと数十時間。




