ゴールデン 一話
早朝、白いカラスが父からの報せを寄越した。
「なになに……黄土、誕生日おめでとう。今年は数年に一度あるタローズカード祭りがあります。父さんはもういい年なので、若いお前が参加してください」
タローズカード祭り、それは大昔に呪われたカードを封じた英雄のいるジュグ帝国伝統の祭りだ。
オレはワコク人とジュグ人のハーフなので参加せざるを得ない。
ただ単に8ある国エリアにカードを回収しにいくだけだ。
移動も簡単だし、エリアの原産品を買い漁りがてら適当に参加しておけばいいさ。
「……ねえ」
「あ?」
気のせいか、小さな声がしたような。辺りを見てもいないしどうでもいいか。
「ワコクは……」
進行時代別に地区分けがありキンミラーズ、ゲンダーイ、シューワ、タイーシェ、メイージ、ヴァクマーツ、エード、センゴーク、ヘイアンヌ、ナンボーク。後はしらねーがとりあえずなんかある。後はキンミラーイ地区で大統領が暗殺されたことがニュースにあったくらいだ。
「チャイカは……」
とりあえず語尾にアルをつけるやつがたくさんいる。パンダァが原産でチアハンとフッカレヒが上手い。
「トロカピアンは……」
木から果物が採れる。実は武器開発で物騒な区域もある。
「アラビンは……」
とりあえず砂漠。
「インダは……」
とりあえずカレェ。
「ヨウコクは……」
チィズやパテシエが気取ってる。
「エルジプスは……」
ジュグの地下にある。埋もれて冥界とも呼ばれている。
「まずはエリア:ワコクか、でも何回か来てるしな……」