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彼らは優しいから僕より先に死ぬんだ  作者: 瀧野憂
ソノヒトアリ
12/15

偽りの妖魔 1 刻め、その名を


「彼のものにやどりし土陽の力よ彼のものを蝕みし水陰を祓え!」


 少年が札を投げつけると怨霊に憑りつかれた男に貼りつく。肉体を乗っ取る怨霊がたちまち苦しみだした。

 この器を手放すほかないと黒い魂が抜けだす。意識のない男はその場に倒れた。


「おつかれ」


 少年は人間の生気を確認して今日は問題はないだろうと判断する。しかし根本の解決には至らなそうだった。

 怨霊が男に憑いたのは、数百年前の出来事が関係している。ある女が男に手ひどく捨てられて末代まで恨みを持つ。

 それが男の先祖だった。となれば、よほどの強力な祓い屋でなければどうしようもなさそうである。

 せめてあの名門一族の後継が生きていれば楽になるのだが……。



「というわけで、君がここに呼ばれた」

「いやいや、はえーよ!」

「ん? 早く対峙して退治してくれ」

「あのーラップやめてもらっていいですか?」

「おいしい食事、綺麗な寝床、都会、何が不満なんだ?」

「普通あの伝説の一族が生きてたら、ときたら主人公の俺がクシャミするんだよ」

「ちょっと何言ってるかわかんない」

「風邪か?そうかも、はセオリーだって」

「セロリはこの世界にない」

「普通はもうちょっと段階踏むでしょ! え? 俺が伝説の!? とかさ!」


「さあ、この書物に名を書くんだ」

「なんで?」

「君の一族は封印に本を使う」

「あー筆ある? それとも親指噛んで?」

「ほらガラスペン」

「なんで?」




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