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リアル・ワールド編
「――所詮ゲームだろう」
西暦3024年。ある一人の学者が打ち出した考えが世界を震撼させた。それは、「この世界はゲームである」たった一言が広い世界を変えていくことになる。
西暦3047年。政府から正式に『スキル制社会』が発表された。簡潔に言えば、世の中を才能や努力でのしあがらなければならないということ。全ての人は自分の思うままに│能力構成{ビルト}を作り上げ、自分を育てあげる。この制度により身分階級がなくなり、全員が等しく自分の能力を前に出すことができるようになった。
「終わったあ」
長時間の同じ姿勢はいけないと思いつつ1階まで続く階段を降りる。下に近づくごとに珈琲の香ばしい匂いが鼻をかすめていく。
「あ、癒希ー、仕事は終わったのか」
「おー癒希ー、お菓子あるぞー」
「廉兄も翔兄も仕事してよ!!」
二人はこの家の同居人。ちなみに血は繫がってない。別にそこはかまわないのだが。
「はいはい」
しっかりしてるのが廉兄で
「へーい」
このゆるいのが翔兄。
で、私が橘癒希