6/14
第六話
カチ、カチ、カチ____。
時計の音でも、電子音でもない。
まるで歯車の狂ったオルゴールのような、不吉な音がこの空間を支配した。
そのとき、静寂のなかで、扉の開く音に空気が揺れた。
その場にいた全員の視線が、部屋にひとつの扉に集中する。
扉の向こう側から顔を出したのは、いつの間にか姿をくらましていた執事であった。
「……以上で、本日のご案内は終了です。以後は、この館の中でご自由にお過ごしください。ただ、明日の午前十時には、必ずご自身のお部屋でお待ちください。私が順に訪ねますので……どうか、それまでに“覚悟”を整えておいてくださいね。」
執事は璃愛たちにそう告げると、感情のこもっていない機会のように不気味に、小さく笑った。
全身の身の毛がよだつのを感じる。
またもや、気がつけば執事の姿はそこから消えていた。
───その後は各自解散となり、璃愛は恐怖に脅えながら、その場を後にする。
そのとき、カーテンの締め切られた窓の向こうから漏れる光が、にわかに暗くなったような気がした。




