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第十四話

────誰も喋らないまま、ただ時間が過ぎていく。


時計の針だけが、静かに時を刻む。


空気は重く、誰もが互いの呼吸音を気にしているようであった。


そんな沈黙に耐えかねたかのように、ソファに腰掛けていた女性がため息を吐きながらその場に立ち上がった。


「……このままじゃ何も始まらないわ。」


彼女は手にしていたスマホを乱雑にポケットへしまい込むと、周囲を見渡した。


「私は春暁茜(しゅんぎょうあかね)。貴方たちも自己紹介してくれる?」


彼女のその一言を初めとして、その場にいた璃愛を含む参加者たちは、茜から時計回りに自己紹介を始めた。


「チッ…、碧空澪於(あおぞられお)。」


そう言いながら汚れたライターで火を灯すと、彼は煙草を取り出してそれに火をつけた。


一瞬だけ視線が鋭く光ったが、直ぐに煙草の向こうへと逸らされた。


「…面倒くせぇ。」


口を尖らして零したその小さな一言に、会議室を気まずい空気が漂う。


澪於の右隣に立つ男は、少し躊躇った様子を見せながら口を開いた。


「僕は暁月叶翔(あかつきかなと)だよ。名前を覚えてくれると嬉しいな。」


微笑みながら隣に立つ澪於と茜の顔を見渡す。


その笑顔にはどこか、警戒心を隠すような薄い膜がかかっていた。


かちゃっ と眼鏡をかけ直す音が聞こえると同時に、なにか分厚い本を閉じる音が璃愛の耳に届く。


その瞬間に次の人物の自己紹介が始まった。


「…僕は鶏鳴雅暉(けいめいまさき)です。少しの間ですが、よろしくお願いします。」


若干声を曇らせて言うと、雅暉は璃愛のほうに目を向けた。


璃愛は表情を強ばらせるも、吐息をつくと口を開いた。


「ッ、えっと東雲璃愛(しののめりあ)です。よろしくお願いします…。」


ペコッと頭を軽く下げて挨拶をする。


周りからの視線が彼女に刺さり、そこには疑心暗鬼が溢れかえっていた。










今週も読んでくださってありがとうございます!!

突然なのですが、最近頭の中の物語が思うように文に表現出来ずスランプ気味でして……

無理に書くよりも一度リフレッシュしたほうが良いのかなと思い、しばらくの間投稿をお休みさせて欲しいです。

またこの物語と向き合えるようになったら戻って来るつもりでいるので、気長に待っていて貰えると嬉しいです!!


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