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第十一話

目を擦りながら体を起こす。


視線をずらした先の時計は、見慣れない文字のデザインだった。


針の位置だけで判断し、今は大体朝の六時頃だと判断する。


窓は分厚いカーテンで覆われていて、光がほとんど入らず外の天気は分からない。


カーテンをめくっても、窓ガラスは曇っていて外が見えないのには変わりなかった。


(…あと四時間か。)


時計を見つめる璃愛の瞳の奥には、恐怖に紛れて、微かな好奇心が滲んでいた。



──── ゴーン ゴーン。


陽の高まりを知らせる鐘が、館中央のロビーから響いた。


距離はあっても、その音は璃愛の部屋まで微かな音を届ける。


「…もう、こんな時間か。」


思わず息を呑む。


それは時計の針の音によって打ち消された。



そして、あれから四時間という時が経ち、遂に世界が午前十時を迎えた瞬間────

静かに扉を叩く音が、部屋の空気を支配した。


滝のように湧き出た汗が、頬を伝う。


璃愛は背筋を震わせながら、恐る恐る自室の扉を振り返る。


彼女の瞳はそこにはあるはずのない、黒く禍々しい渦を映しだした。


大きく息を吸い、吐く。


吸い込んだ空気が肺の中で暴れ散らすかのように、璃愛の感情を恐怖で覆い尽くした。


「ッ、今…開けます……。」


そうしてドアノブに手をかけて、目の前の扉をゆっくりと開く。


その手は小さく震えていて、今にも壊れてしまいそうだった。













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