My Favorite Things
何時もの様にサブタイトルは内容と殆ど関係ありません
タイトルの『テンプレ』も詐欺疑惑??
ソフィー様の仰る事の意味がさっぱり解らないです。
「此の世界が魂の傷を癒す為の休憩所とは何の事なのでしょうか。 『心残り』と私の記憶が無い事は何か関係があるのですか」
ウィル兄様もウンウンと頷いていますね、何だか赤ベコみたいです。
私の問いにソフィー様は何から説明しようかしら、と右手を頬にあてて首を傾げていらっしゃいますが、その仕草はとても可愛らしくて本当に年齢不詳デス。
不躾にじっと見つめてしまっていたみたいで、ソフィー様と目が合ってしまいました。
「ツィスカちゃん、今何を考えているのかしら?」
あ、お顔が恐いです。 考えている事バレた?年齢不詳って口には出していない筈――…
「わ、若さの秘訣?」
ガクブルしながらお答えするとソフィー様はツイっと右眉を上げて『ふーん』と小さな声で呟かれました。
「前世のツィスカちゃんは空気読める娘みたいね。
まぁソレは其れとして置いておいて、此の世界の説明を始めるわね」
良かった、怒られませんでした。
そして愈々異世界の説明開始、ワクワクします。
此処は剣と魔法の世界?それとも悪役令嬢?
そして何よりも気になるのは『私にチート能力はあるのか』です!
そんな期待に満ちた私の顔を一瞥したソフィー様は『あぁ、、』と申し訳なさそうに仰いました。
「ごめんなさいね、此の世界に魔法は無いからツィスカちゃんにチート能力は無いと思うわよ。 尤もツィスカちゃん自身が前世で天才だったり何か飛び抜けて知識があるなら話は別だけど」
「えぇーっ?“ステータスオープン”とか無いんですかぁっ!?」
思わずタメ口で叫んでしまった私をソフィー様は咎める事もなく、苦笑いで説明を続けられます。
「そうね、聖女も勇者も魔物も居ないわね。 ピンク頭も居ないし、逆ハーは論外ね。 抑々王族は学園には通わないからツィスカちゃんも悪役令嬢にはなれないわよ」
なぁんだ此処はゲームやラノベの世界じゃないんですね……ちょっとガッカリです。
「そんなに露骨にガッカリされると、いっそ清々しいわね。 でも此の世界は気候も良いし、王侯貴族とかの身分はあるけれど、暮らしに困る貧しい階級は無いのよ。 医療も充実しているし、何より凄いのが戦争が無いの」
生活環境は良いみたいですね。 そう言えばトイレが温水洗浄便座だったけど、お風呂はシャワーとかあるのかなぁ。
「生活レベルはどうなのですか?」
魔法が無いなら家電とかも無いのかな。
――って、あれ?温水洗浄便座って家電だよね、其れに此の部屋の照明も電気っぽい??
「ふふ、気が付いたみたいね、そうよ此の世界には家電があるの。 流石にスマホとかパソコンは無いけどね」
そうだよね、スマホとかネットは機械があっても情報がないと只の箱よね。
其れまで私たちの遣り取りを変な顔をしてご覧になっていたウィル兄様が口を開かれました。
「ソフィー様の口調が普段と違って、随分と砕けているのは気のせいでしょうか」
へっ?そう言われてみればフレンドリーな話し方ですかね。
ウィル兄様の問いにソフィー様は目をぱちくりとさせた後、悪戯を見つかった子どもの様な顔で答えられます。
「あ~、、ウィルは知らないわよねぇ、私は元々こんな話し方なのよね。 特にリロちゃんと二人だと何時もこんなカンジよ?」
普段は貴婦人の仮面を被っているのですね。
「ツィスカちゃん他人事みたいな顔をしているけれど、今後は貴女も人前では王女の仮面を被る事になるのよ?」
うわー、面倒くさそうデス。
内心うんざりしている私を見てソフィー様は苦笑いをしながら提案されました。
「閑話休題、この世界の説明に戻るわね――…
ん~、、でもその前にツィスカちゃんの目で見て、疑問に思った事を説明する方が良いかもね」
――と、云う事で取り敢えず『此の世界の生活水準を体感する』名目で外出する事になりました。
ちょっと観光気分でワクワクしているとソフィー様が愉しそうに仰いました。
「そうだ、王都行こう」
いや、ソレってパクりじゃん!!
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『閑話休題』は横道に逸れた話を打ちきって本筋の流れに戻すと云う意味です
『ところで』と間違った使い方をする人もいるケド『其れはさておき、本題に戻って』と云う意味だから気を付けてね?
My Favorite Thingsは旧国鉄の西日本さんのCMに使われているアレです
元々は『Do Re Miの歌』で有名な映画の中で歌われている曲です