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Beautiful name

やっとお兄様の名前が出ます


そして前王妃様が再びあの台詞を言います

 此のお方が陛下(おとうさま)の母上であられる前王妃様なのですね。 私が15歳でお兄様も()るので、少なくとも50歳は過ぎておられる筈ですよね。


 あんぐりと口を開けた間抜け顔を晒している私を見て前王妃様はクスクスと笑われました。

「私の顔に何か付いているかしら?」

両頬に手を軽く添えてコテン、と首を傾げる様子はあざと可愛いデス。


 返事をしようとした私に前王妃様は更に続けて仰いました。

「なぁに?若さの秘訣かしら?」

 おおう!そういえば此の方も転生者なのでした。

「そうです!お兄様と私のお祖母様なのに、こんなに若くて美しいなんて一体お何歳(いくつ)なのですか」

私がそう訊ねた途端に辺りの空気がピシリと凍りました。


 隣でお兄様が真っ青な顔であわあわしています。

「お祖母(ばあ)、様?今ツィスカちゃんは私の事をお祖母様って呼んだのかしら?」

そう仰る前王妃様の顳顬(こめかみ)がピクピクしています。


 しまった!そう言えば王妃様(おかあさま)は『お祖母様と呼んだら怒られます』と仰っていた様な……そっとお兄様のお顔を窺うと巻き込むなと言わんばかりにぶんぶんと首を振っていらっしゃいます。

「えっと、前王妃様がお婆さんって意味ではなくてですね、私との続柄は祖母…ですヨネ、、」


 えーん、誰か助けてクダサイ、この空気耐えられないんですけど。

前王妃様はふうっ、と大きく息を吐いて此方に向き直られました。

「ツィスカちゃんの記憶が戻るまでは()()()失言は許します」

 そう仰ってから、ニコリと微笑まれました。

うん、確かにお祖母様と呼ぶには可愛い過ぎますね。


 取り敢えずは許していただけたのですよね?

「ありがとうございます、それでは前王妃様の事は何とお呼びすればよろしいのでしょうか」

それにお兄様のお名前もウィル何なのか解らないのですよね。


 座るように促されて、ソファーに腰掛けた所でお茶が用意されましたが、紅茶とは違うようです。

「普洱茶よ、カテキンだけでなくビタミンやミネラルも豊富なので美容と健康に良いのよ」

一口飲んでカップを見ながら考え込んでいる私に前王妃様がお茶の説明をしてくださいました。


 それにしても普洱茶って中国茶じゃなかったかなぁ?

「ダイエットにも良いと聞いたことがあります。 普洱茶って此の世界にもあるのですね」

 

 和やかに女子トークを始めた私たちにお兄様は呆れ顔です。

「ソフィー様、転生者の説明じゃなかったのですか?それとツィスカの記憶がないのであれば、私も自己紹介したいのですが」


 お兄様がそう仰ると前王妃様はポンっと手を打って『あぁ』と呟かれました。

「そうね、そうだったわね。 じゃあ先ず私から、(さっき)も言った通り私の名前はソフィーよ。 ツィスカちゃんは『ソフィー様』と私的な場(プライベート)では呼んでいたわよ」


 ソフィー様ですか、お兄様もそうお呼びされていたので今後は私もそうお呼びしましょう。

「私の名前はウィルフリードだ。 お前の一歳違いの兄で此の国の第一王子で王太子でもある。 ツィスカはウィル兄様と呼んでいたぞ」

 

 ウィルフリード、やっとお兄様のお名前が判りました。 そして一歳違いですか?国王夫妻は仲良しなのですねぇ、、、




§∞§∞§∞ 名前の意味 ∞§∞§∞§

ウィルフリード:平和を強く望む

(スペルの最後にOが付きます)

『蟀谷』『米神』『古米賀美』

色々な書き方があるのですが、今回は顳顬の漢字を当てました

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