貴女も私も転生者
昨日、お月さまに『すなもり共通プロット企画』作品投稿しましたので此方はお休みしました
今、王妃様はご自分も転生者だと仰いましたよね? しかも日本人ですか?
「えっと、私の聞き間違えでなければ王妃様も転生者で、前世はクロサキサララさんと云うお名前の日本人ですか?」
私の質問に王妃様は悪戯が成功した子どもみたいな嬉しそうなお顔をされました。
成る程、ハンナさんの言っていた『王妃様の楽しみ』とはこの事だったのですね。
「そう、ブラックの黒に宮崎県の崎、鵜野讃良の讃良よ」
満面の笑顔で名前の説明をしてくださったのですが、ウノノサララが何なのか解りません。
「?ウノノサララって何ですか?」
解らない事は直ぐに聞く、がモットーの私としては本当に悪気はなく聞き返したのですが、王妃様は物凄く悲しそうなお顔に変わりました。
「じ、持統天皇の幼い頃のお名前で……って持統天皇はご存知無いかしら?」
ありゃ、不味い事を訊ねてしまった様です。王妃様に取ってウノノサララさんからいただいた名前という事は大切な事だったのですね。
「あ、持統天皇なら知っています。 確か大化の改新を行った天智天皇の娘で『春過ぎて……』って云う百人一首の人ですよね?」
幼名までは存じ上げません、申し訳ない。
先程までの嬉しそうなお顔がシュンとなってしまいましたが、此れは此れで可愛らしいですねぇ。
「そう、その持統天皇の幼名で……まぁ知らない物は仕方ないわね、讃岐の讃に良いと書いて讃良と読むのよ」
王妃様は気を取り直して説明を続けられるみたいですね。
「私の前の転生者はルーイ様のお母様、詰まり貴女のお祖母様よ。 ただし、お祖母様と呼んだら怒られますからね?」
それでは私は転生者の孫で、さらに転生者の娘でもあるのですね。
「周りに転生者が多いと思ったでしょう?転生者は大体王家が保護するのでそうなるの」
「私はリロが転生者だから結婚したのではないぞ」
陛下は少し拗ねた顔をして王妃様に仰いました。
その後は陛下と王妃様は公務でお出かけの予定で、御召替えの為に席を立たれました。
私とお兄様はサロンに移動するらしいです。
サロンの内装は華美でなく落ち着いた感じでした。 此方で前王妃様に転生者について色々と説明していただけるそうです。
ソファーに腰掛けて辺りを見回しているとお兄様と目が合いました。
「前王妃様はどんな方なのでしょうか。 それからお兄様の事は何とお呼びすれば宜しいですか?」
お兄様呼びは失礼だったかな、とドキドキしながら待っていると何だか面白いお顔になってしまいました。 『目が点になる』とはこんな顔なんでしょうか。
二人で見詰めあっていると扉が開いて美しい女性が入って来られました。
「うふふ、ウィルってば忘れたの?転生者は暫く記憶が混濁してしまうって」
美しい女性は私の方に向き直って小首を傾げられました。
「私の事も覚えてはいないわよね?前王妃で現国王ルートヴィッヒの母、ソフィーよ」
うん、『貴女の祖母よ』とは仰らないのデスね。
と言うか、どう見ても40代半ばですよね?この国の女性の年齢は本当に判りません!!
§∞§∞§∞ 名前の意味 ∞§∞§∞§
ハンナ:親切な、優しい
発作的にR18書きたくなります
他にも途中の話があるのにねぇ(・・;)