ヒヤシンス
私はなにをしているのだろう。
あの日、目の前で彼女を失ってからずっとこんな調子だ。
何度の食事をしただろう、何時間睡眠しただろう、どうやって生きてきただろう
私はただ、部屋の角の隅で一人目覚めることのない彼女を見つめる。
私は彼女のことを愛していたが、彼女が私を愛することは結局一度だりともなかった。
私が愛を呟くと彼女は困った顔をした。しかし、彼女が私を突き放すことはなかった。いつも優しく笑い、雛鳥のような愛らしい声で私の名前を呼んだ。
彼女が恋しい…
今すぐにでも目を開けて、また私の名前を呼んで欲しい
でも、彼女は目覚めない
それなら、私が彼女のもとへ向かおう
彼女にまた出会えると信じ、旅立とう
待っていてね