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無色透明  作者: アタマオカシイ
1型戦闘モデル
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1-ニ型

歴史書の一つでも残っていれば何とか・・・いや、待てよ。さっきの解析データ・・・。

PCを開きなおして、データを再度確認する。このアンドロイドのコンピュータの中には、明らかに同期された跡があった。それも一度や二度ではない。かなりの回数だ。

「最後に一つだけ、この地球には図書館あるいはそれに類する施設は、残っているか?」

「いえ、人間が利用していた施設はすべてなくなっています。我々が利用するようなものはあるのですが」


気になるのは人間がいることに動揺した彼女が、ごく普通に情報を開示していることである。やはり彼女を、いや彼女らを作ったのは

「君たちは人によって作られた?」

彼女は言いよどんだ。おそらくだが、これで私が本当に人間か、彼女は分からなくなっているだろう。


人類が滅亡してかなりの年数が経っているというのは、疑いようのない事実だ。あの後調査を進めたが、人間の生活の痕跡は残っていなかった。建物の大半は数千年が経過したような風化具合であるし、ヒトが数千年以内に地上生活を行っていたような痕跡はない。もちろん、千年経てば大抵のものは認識できるレベルで無くなるわけだが、それでも明らかに、データの残っていなさからみても、数千年は地上に人類が存在していなかったのだろう。


「ああ、すまない。答えづらい質問をしてしまった。その前に私の正体を明かしておいた方がよさそうだね」

「!」

「私はアキッレ・アルバトーレという。未来の地球からやってきた。しかしいろいろと不都合があってね…」

タイムトラベルをする際に、たまに時空間の歪みが移動先のブレにかかわってくることがある。しかしそのような歪みは移動中見つからなかった。そのことから考えると、この世界線では我々の時代とは異なった速さで時間が過ぎているのだろう。おそらく、相当速く。文明の成熟の速度、衰退の速度、我々の時代にない技術や部品、建造物の構造などから見て確かだろう。

「いやなに、ちょっといろいろ教えてもらえればいいんだ。一方的に聞いてばかりで悪いんだが、もう少し・・・ここに人間がいない理由だとか、これまでに起こった事件とか、いろいろとここの詳しいことを知りたいんだよ」


次回は6/14更新です。

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