1-イ型
「一体・・・・・これは・・・・。」
荒廃した大地、色を失った世界。生命の反応もなく、植物も建物も、すべてが枯れ果てたように見える。動くものは風と太陽のみである。周囲は砂漠、残っている建物も風化している。
ピピピピピピピピピ!!!
突然アラートが鳴る。熱反応!?ごくわずかだが正面に微弱な熱量変化が見られる!
慌てて砂を掘りかえす。これは…人!?いや違う。精巧に作られているが、これはアンドロイドだ!慌ててパソコンを取り出す。熱変化があるということはつまり動作している部分があるということだ。どこかに端子はないか・・・作るしかない。
人間を模して造られているのであれば、CPUの位置は頭部か胸部だろう。そしておそらく、視聴覚のセンサは頭部に集中していることから、頭部に配置させるというのが妥当である。開いてみると、脳を模したのかそれらしい形状のものがあった。これがCPUだろうか。あちこち断線しており、スパークが発生している。途切れた線を端子に巻き付けてみる。どうやら成功したようだ。
―「未知の言語を発見、構文から文法を推理します」
―「並行してプログラムの解析を行います」
―「予想解析所要時間 31:50」
―「解析終了後 起動しますか? ➔はい いいえ」
―「解析終了後 起動します」
30分か。まだしばらく探索は可能だ。付近の建物を探索する。
建造物は大きく、ドームの形をしている。周りを取り囲むように座席が並んでいる。コロシアムか何かだろうか。足元には部品のような、刀傷のついた鉄の板が散らばっていた。サイズは30センチ角くらい。一体何が戦っていたのだろう。人間が身につけるような形状ではなかった。先ほどのアンドロイドといい、人類は滅亡しているのだろうか。生物の存在も確認できず、作動している機械も今のところ見つかっていない。
改めて別の建造物を調査する。これは…頑丈なテントだ。鉄の箱が積み上げられている。中身は何かの部品だった。先ほどのアンドロイドにもみられた部品があるところから、あのアンドロイドたちはここで補給を受けていたようである。
しばらく探索を続けていると、遠くに何かが転がっているのが見える。双眼鏡を取り出してみてみると、あれもアンドロイドだろうか、よく見ると何体かが転がっている。熱反応はなく、動作していないようだ。
そうこうしているうちに解析が終了したようだ。最初の場所へ戻って、アンドロイドの様子を見ようとする・・・が、様子がおかしい。回線を引きちぎったアンドロイドは、視覚センサの部分が赤く光り、動作が不自然だ。ここまで精巧に作られていて、あのように動作するはずがないのだ。しばらく観察しようとすると、やってきた私を見るや否や、彼女はいきなり襲い掛かってきた。