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無色透明  作者: アタマオカシイ
1型戦闘モデル
12/17

1-ヌ型

「めぼしい情報はなしか。もっと話せるものがいれば話は変わっただろうが、地球にいないとなるとな」

「それについては私にもどうにもなりません。連絡手段はないので」

「連絡手段がない?なぜだ?」

「そのようなこと、考えたこともありませんでした」

おかしい。あくまで地球上から避難するだけであれば、戦闘に勝利すれば戻ってくることも考えるはずだ。一切その手段がないというのは明らかに不自然だ。しかも、それを考えたこともないという。地球人類は地球を捨て、新しい星の開発を目指したのか?それとも…。


やはり別のアンドロイドも起動していったほうがよいだろう。ついでと言っては何だが、本拠地にできるスペースを確保しておくのも重要だ。建造物に勝手に手を加えるのはちょっと気が引けるので(修復キットは調査のために使うものであり、もともとの劣化した素材を新しい同様の素材で補修するものであるため、手を加えるのとは少し意味合いが違う)、別個キャンプを作っておいた方がよいだろう。

「この近くに湖だとか川だとか、水のある場所はあるかい?」

「少し行けば、大きな湖があります。あそこであれば水が枯れることはないでしょう」

「ふむ、雨が降っている様子はないが、それでも枯れないのかね?」

「湧き水でできた湖ですので、源泉が枯れない限り、枯れることはありません」

ほう、それならば焚火と寝床を設置すれば大丈夫だろうか。用意してきた水素と酸素のカプセルは消費しなくて済みそうだ。


植物もあれば、と思っていたら、ウバメガシの木と天然の芝が生えていた。これならば環境の修復可能性が出てくるな。植林だけでも相当な環境の修復が可能なはずだ。


言ってはいなかったが、私は環境活動家である。地球環境の保護、保全を行う団体を運営する立場であり、業務として生態系の修復や持続可能な森林、水産、地下資源生成環境の構成などを行っている。タイムマシン計画はその一環として考えたもので、過去の環境指標の状況を向上させれば、我々の時代でも環境問題が減少もしくは解消されるのではないだろうか、という疑問から設計、製造に至った。実際にどう影響するか、実験で得たデータはまちまちで、小石を拾ったら友人が大成したが、それを取り消したのちに家の裏手を大爆発させて戻っても父親の右手に少ししびれが出た程度の差しかなかった。


大きなことをして戻ったら必ず大きな変化がある訳ではないし、小さなことをしたらほとんど変わらない、というわけでもない。行動の与える影響についてはまだまだ実験が必要なようだ。

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