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無色透明  作者: アタマオカシイ
1型戦闘モデル
10/17

1-チ型

調査と質問を重ねて、わかったことをまとめておこうと思う。

1.アンドロイドの初期版は人間たちが作ったこと

2.途中から人間は地球からいなくなり、アンドロイドがアンドロイドを作っていたこと

3.ロボットは異星人が作ったということ

4.地球上でのアンドロイドとロボットの戦争は、異星人と地球人の代理戦争だということ


ほかにもいくつか聞いてはみたが、それ以上の情報は持ち合わせていないらしい。

しかし、代理戦争か。どこの世界線でもやっていることが同じとは、やはり同じ過ちを繰り返す愚かな生物だということか。人間として恥ずかしくなってくる。


疑問点は、

1.同期を行っても人類に関するデータは共有されていないということ

2.技術進歩の裏にある事情

3.なぜわざわざ通常兵器ではなくアンドロイドを作り、そこに通常兵器を携行させたのか

である。なかなかきな臭い話である。製造者の記憶がないのは、やはり彼女が敵勢力によって作られたからなのだろうか。その割には同期データの中にほかのアンドロイドの情報も含まれているし、やり取りも見られる。プログラムの改変の跡もないことからすると、捕虜になりプログラムを改変されたということでもなさそうだ。先ほどのキャンプにない部品でも装着されていればわかりそうなものであるが、ここまで見た限りではそのようなものは無かった。謎は深まるばかりである。


この辺りは一通り探索しつくしたか。食事にしようと思ったところで、ふと思いつく。

「君たちのエネルギーはなんだい?」

「太陽光、風、その他周囲に存在する水粒子です」

「つまり経口あるいはほかの部分からの摂食は必要ないのか。興味深いな」

知り合いの化学者の何人かは彼女を分解して徹底的に調べ上げそうだ。今までもそうだが、余計にタイムマシンのことを話せなくなってしまうな。私にも多少の承認欲求はあるので、出来上がった世紀の発明を見せびらかせないのはなかなかにさみしいものがある。時空間転移の論文を公表している時点で、数人には感づかれていそうだが。

いっそのこと彼女を我々の世界に連れていき、違いを指摘してもらおうかと思うが、思い直す。いくら影響がないからと言って、あまり行き過ぎたことはよろしくない。彼女の機嫌を損ねてしまうかもしれないし、そうなってしまえば結局何もわからないまま終わってしまう。考えていたところに、彼女は再度口を開く。

「ただ、食事という形でのエネルギー補給も可能になっています」

ますます興味深い。有機物の分解機構まで備えているのか。雨の日もあるだろうし、風のない日もあるだろうし、エネルギー補給の手段は多いに越したことはない。

「良かったら一緒に食べてくれるか?一人で食べるのは味気なくてな」

次回は7/12更新です。

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