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008

爽やかな朝を迎えた。

急いで銀行へ行くと、しっかりと500万円の入金があった。

にやけないように頑張るが、顔がにやけていく。

早速、10万円を下ろして贅沢な朝食を外食ですました。


だが、行動中に何者かの視線を感じる。

日頃持っていないお金が入ったせいだろうか?


家に向かう一本道になった際に、一気に振り向いた。

誰もいない。

気のせいなのだろうか?


家に帰宅後にパソコンを起動すると、メールが溢れるほど来ていた。


「なんだ? 怪しいサイトにメールアドレスを入れた記憶もないし迷惑メール?」

思わず感想を一人ごとで口走る。


内容を見ると500件程で、英語やロシア語や様々な言語で書かれたメールで内容がわからない。


日本語のメールを探すと2件あった。


自衛隊広報部?

内閣特殊機関?


大会申し込みの際にメールアドレスを登録した事を思い出した。


自衛隊から来たメールの内容は、単純明解でヘッドハンティングであった。

自衛隊に入隊?

美東の顔が頭に浮かんだ。

公務員か……


内閣特殊機関の方を読むと、こちらは呼び出しであった。

メールの文末に以下の事が書いてあった。


『これは法律で決められたもので、断る事は出来ません。理由無く断る場合は、国益を損なう為に罰金もしくは懲役が発生する場合があります』


え!?

ええええぇ?

こんな、徴兵制度みたいな法律があったことに驚く。


明日の10:00に、警視庁に来るように書かれている。

強制?

大会で安易にお金を稼いだのは失敗だったのかもしれない。

待ち合わせ場所を考えると詐欺とは、考えれれない。

これも勧誘などで面接だけかもしれないので、仕方がないが明日行くしかないな。


他のメールも自動翻訳を使用して読むと、就職斡旋の内容であった。

日本語以外の場所は無理だ。



10:00に警視庁へ到着した。

受付で、メールを印刷した物を見せると会議室へ案内された。


30人ほど会議が出来そうな会議室であったが、私一人しか居ない。

数日前まで普通の日常だったが、凄い変化だった。


10分ほど待っていると、20代ぐらいの手に書類を抱えた女性が入ってきた。


「貴方が帆井 和也さんですか?」


「そうです」


「私は、内閣調査室の幸手(サッテ) (アン)と言います。この度は大会優勝おめでとうございます」


やはり、大会の関係で呼び出された感じなんだな。


「何故、呼び出されたのでしょうか?」

「ここからは、国家機密に関わる事なので、この書類にサインをしていただきたい」


渡された書類を読むと、ここで知り得る情報を外に持ち出さない。

万が一漏洩した場合は、刑を受けますと書かれた同意書であった。


良くある企業の情報保護法などの同意書みたいだな。

サインしないと話が始まらないようなのでサインする。


「サインしましたね」

幸手が、僅かににやけたように感じた。


会議室の大型スクリーンが、映し出されて私の経歴と履歴が表示された。


「帆井 和也さん、あなたの経歴は調査済みです。特に特徴もなく友人関係も少ないため死んでも騒ぎにならない点と、ライフルの腕が評価されて、国家特務機関の非常勤戦闘員として採用が決定しました」


画面に映っている経歴には、学校の成績までのっていた。

「え?ちょっと待ってください。考える時間とかないんですか?経歴の情報があまりにも細かいのですが、どうやって調べたんですか?」


「ありません。早速現場へ移動しますのでこちらに来てください。一つの案件で50万円の報酬が支払われます。必要経費はその50万円から引かれますので最少経費で案件を処理してください。

秘密組織なので社会的には、帆井さんは無職となりますので各種保険などは自分で入ってください。

案件処理で入った収入は、非課税なので申告不要です」


あまりに強引な展開で、しかも就職ではなくてフリーター扱いである。

一案件で50万は、おいしいのかもわからない。

既に就職活動する資金は、大会でゲットしている。

ここは、断ろうと決断した。


「ちょっと、強引すぎませんか? お断りします」


と、言った瞬間に私の胸にナイフが刺さっていた。

幸手が、ナイフを投げた投擲スタイルで私をみている。


「あ、言ってなかったね。組織を抜ける際の条件は死亡か、円満退社だけだから。死体は、処理班に片付けさせるから心配しなくて良いよ。同意書にサインしてるから私には罪はかからないので、その心配もいらないからね。あと余命5分ぐらいかな?」


胸が非常に熱くなり、口から血液があふれてくる。

呼吸もままならない。

めちゃくちゃ痛みが襲ってきた。

マズイ……


視界が変わって、幸手が説明してる風景になる。

「……移動しますのでこちらに来てください。一つの案件で50万円の報酬が支払われます。必要経費はその50万円から引かれますので最少経費で案件を処理してください。

秘密組織なので社会的には、帆井さんは無職となりますので各種保険などは自分で入ってください。

案件処理で入った収入は、非課税なので申告不要です」


も、戻った。

なにこれ?こんな理不尽があってよいのか?

刑が死刑なんて同意書あるか?

情報を漏らす可能性があるだけで、関係者でなければ死刑という同意書だった事になる。

とにかく、この組織に入っちゃだめだ!

もう一度……


「ちょっと、強引すぎませんか? お断りします」

発言と同時に、座っていた机の下へ隠れる。


頭の上を髪を数本もっていきながらナイフが通過していった。


「まじ?避けやがった!」


「いきなり物騒すぎます。この組織に入りたくないんですけど、どうすれば良いのですか?」


「あ、言ってなかったね。組織を抜ける際の条件は死亡か、円満退社だけだから。どのみち、お前は私に逆らったから絶対殺すけどね」


机から顔をだすと、幸手が何処から取り出したかわからないナイフを両手に持って私に向かって走って来た。

マズイ……


視界が変わって、幸手が説明してる風景になる。

「……移動しますのでこちらに来てください。一つの案件で50万円の報酬が支払われます。必要経費はその50万円から引かれますので最少経費で案件を処理してください。

秘密組織なので社会的には、帆井さんは無職となりますので各種保険などは自分で入ってください。

案件処理で入った収入は、非課税なので申告不要です」


も、戻った。

胸にナイフが刺さらなくなっても、幸手が殺しに来る事は回避できないのか?

もう一度……


「ちょっと、強引すぎませんか? お断りします」

発言と同時に、座っていた机の下へ隠れる。


頭の上を髪を数本もっていきながらナイフが通過していった。


「まじ?避けやがった!」


「いきなり物騒すぎます。殺されたくないんですけど!」


「殺されても良いと言う同意書にサインしただろ?諦めな。お前は私に逆らったから絶対殺す」


机から顔をだすと、幸手が何処から取り出したかわからないナイフを両手に持って私に向かって走って来た。

マズイ……


視界が変わって、幸手が説明してる風景になる。

「……移動しますのでこちらに来てください。一つの案件で50万円の報酬が支払われます。必要経費はその50万円から引かれますので最少経費で案件を処理してください。

秘密組織なので社会的には、帆井さんは無職となりますので各種保険などは自分で入ってください。

案件処理で入った収入は、非課税なので申告不要です」


これは、無理だ。既に詰んでいるようだった。

同意書のサインまで戻れれば、回避可能だった可能性はある。

だがそれは、3分前だ。

1分しか巻き戻れない私には回避不可能である。

まだ、仕事内容もわかっていないので、とりあえず移動して情報を集める必要がありまそうだ。


巻き戻りが1分だとさすがに、何回も戻っても会話で幸手から得られる情報も少ない。

私的理由の退社→死刑 

組織都合の退社→円満退社

なのだろうか?


円満退社後も消される気がしてきた。


「わかりました。仕事の内容を見てから決めても良いのですか?」

「もちろんですよ。早速行きましょう」


二人で会議室入口とは、逆に設置されていた扉に移動する。

扉を開くと、小型の昇降機があった。


隠し昇降機なのか?普通のドアを開けたら昇降機って違和感があるな。


幸手がやたら長いパスワードをコンソールに打ち込んだ。

昇降機のドアが開いたので二人で乗り込んだ。


予想に反して、上に行くのではない地下方面に降りていく昇降機のようだが、5分しても到着しない。


「これは、何処に向かっているんですか?」


「東京の地下にあるジオフロントですよ」

幸手がそう答えると、昇降機が到着してドアが開いた。



※ヘッドハンティング

優秀な人材を他の組織がスカウト(引き抜く)すること。


※ジオフロント

地下に作られた都市。

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