第90話 闘技大会編 二試合目、開始
「フラン、怪我はない?」
いつの間にか霧化を解き、いつもの姿に戻ったレミリアがフランの横に並ぶ。
「大丈夫だよ、それより……」
その先は聞くまでもない。まだにとりの姿が確認できていない。おそらくはまだあのロボットの中にいるのだろうが……。
「フラン、今度は一緒に、慎重にいくわよ」
「はーい」
今度はさすがのフランもすんなりと言うことを聞いてくれる。
二人並んで煙の中をゆっくりと近づいていく。
「……今の聞こえた?」
「うん」
巨体が落ちたことによる地響きの中に、なにかの声が混じった。
目を合わせて頷き、加速する。
「あいたたた……せっかくの自信作がこんな……」
そこまで言ったところで自身の両側からの気配に気づき、両手を上げる。
「ねぇカッパ、何か言い訳はある?」
「壊したのお姉様じゃなくてフランだけどね」
にとりに槍を突きつけてドヤるレミリアにツッコミを入れる。
「はぁぁこりゃダメだ。私の負けだよ」
にとりのその宣言をどうやって聞きつけたのかは分からないが、そこで閻魔の声がする。
「試合終了。勝者、スカーレット姉妹」
「決まったぁぁぁあ!! 突然登場したロボットもろとも破壊したのはスカーレット姉妹! 二回戦進出です!」
「カッパってホント技術力だけは凄いわね……」
「おーレミリア達が勝ったか」
「まぁ当然でしょうね」
俺の呟きに、当たり前だというように霊夢が言う。
「途中危なかった気もするけどね」
そういったのはパルスィだ。
「まぁフランがいる限り壊せねぇモンなんてないだろ」
「まぁ……そうね」
「次は姐さんの試合か」
相手は美鈴とパチュリー。一筋縄ではいかないが、姐さんが勝てないような相手でもない。まぁどちらも勝ってほしいというのが本音ではあるが。
「ま、勇儀なら勝つでしょ。遊ぶかもしれないけど」
「遊ぶだろうなぁあの人。特に美鈴は武術の達人だし」
俺の時のように、初めだけ自由に打たせるみたいなことをするかもしれない。あぁ、目に見えてその光景が浮かんでくる……。
──控え室──
「体調は大丈夫ですか?」
「えぇ、今日は調子がいいみたい」
少なくとも詠唱中に喘息で辛くなることはなさそうだ。
「それはよかったです。二回戦ではお嬢様達と当たることになってしまいましたが……まずはこの戦いに勝ってからですね」
「そうね、そろそろ行きましょうか」
二人は立ち上がり、闘技場へと歩き出した。
「さぁ本日二試合目は大魔法使いパチュリー・ノーレッジさんと武術の達人、紅魔館の頼れる門番紅美鈴さんのタッグと、破滅的な金剛力を持つ星熊勇儀さんの対戦となります!」
「それでは両者並んでください」
勇儀と美鈴、パチュリーが向かい合う。
向かい合ったのを確認すると、映姫が手を前に出す。
「では試合……開始ッ!」




