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人と妖怪とetc.  作者: 那々氏さん
第6章 幻想闘技・人妖
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第89話 闘技大会編 ロボットと吸血鬼姉妹

 

 それを理解できたものはちょくちょく色んな世界を巡る紫と、元々別の世界に住んでいた早苗だけだった。


「いや……ちょっ反則じゃないアレ!?」


 頭上に浮かぶ鉄の塊を指さしてレミリアが叫ぶ。


「ちょっと審判! あれアリなの!?」


「試合後に発動したカッパの能力という形なのでアリです」


「アンタの白黒めっちゃ複雑ね!?」


 レミリアの的確すぎるツッコミも映姫は全く気にせずに涼しい顔をしている。


「ねぇお姉様」


 そんな時、フランがレミリアの服を掴んで軽く引っ張る。


「なぁにフラン」


「あれ、落ちてくるよ?」


「え」


 見れば、徐々にこっちに近づいてきている気がする。


「さぁカッパの技術力を見せて上げるよ!」


 にとりが再びボタンを押すと、そのロボが炎や煙を吹き出しながら急降下してくる。


「うわわわ」


 レミリアがフランの手を引っつかみ、上空へと逃げ出す。


「一体何なのよアレ……」


 煙で何も見えないが、攻撃に備え魔力の準備だけはしておく。

 すると突然煙が晴れる。


「ハーっハッハッハ! 私が作ったこのロボットに勝てるかな!」


 ロボットの中心あたりににとりの姿が見える。


「そんな鉄の塊程度、秒で粉砕してやるわ!! スカーレットシュート!」


 溜めていた魔力を、にとり目掛けて放つ。

 だが、


「なっ!?」


 全くの無傷、傷どころかホコリすらついてないように見える。


「残念だったね。このロボットの装甲は魔力を完全遮断するのさ! 単純に硬いし吸血鬼程度の膂力じゃ傷一つつかないよ!」


 それが言い終わるや否やロボットの腕を動かしレミリア達に殴りかかる。


「吸血鬼程度じゃ傷つけられないぃ? 随分と言ってくれるわねこのカッパ」


「お姉様壊せるの?」


「当たり前じゃない。さっきは手加減しただけよ」


 姉妹で会話をしながらロボットの攻撃をかわす。


「そっか。じゃあ壊せるとこ教えなくて大丈夫だね」


「ちょっと待って」


 フランから言われた思いがけない一言にレミリアは動揺を隠せない。


「知ってるなら教えてもいいのよ……?」


「えー? お姉様なんてー?」


 ロボットが無駄にガシャガシャなるせいでフランが聞き返す。

 レミリアが初めてフランに苛立ちを感じた瞬間である。


「その場所私に教えてくれてもいいって言ってんの!」


「えーさっき壊せるって言ってたじゃーん」


「いいからはやく!」


 だがレミリアのその言葉に、フランが悪戯っぽく笑う。


「やっぱ教えなーい。フランも"かつやく”したいもん」


 そんなフランにレミリアは頭を抱える。怒り心頭に達しているのかと思えば……


(我が妹ながら……破壊力が高い……)


 ただフランの可愛さに悶絶していただけだった。


「分かったわフラン。今回は私がフォローしてあげる」


「ありがとうお姉様♪」


 レミリアのその言葉を聞いた瞬間にフランがロボットへ突っ込んでいく。


「私がフォローするって言った途端これだから……」


 やれやれとため息をつくが、その笑みは隠しきれていなかった。


「近づけさせないよ!」


 フランが向かって来ているのを確認したにとりがロボットを動かしたと思うと、右腕が急に引っ込む。


「?」


「……ッ! フラン下がって!」


 頭に疑問符を浮かべるフランにそう言うと同時に瞬間的にレミリアが彼女の前に出る。


「紅符・不夜城レッド!」


 レミリアがスペルを唱えるとほぼ同タイミングでロボットの腕から鉄の棒のようなものが生え、連続で銃弾が発射される。

 だが十字架型に展開されたスペルがそれらが二人に当たるのを防ぐ。


「どうしようお姉様」


 フランが淡々とレミリアに問いかける。


(近づけないわけではないけど……フランが傷つくのは容認できないわね……)


「私が霧化してアレの視界を覆うわ。フランはそのままアレを壊して」


「はーい」


 ロボットから発射される銃弾の雨が一瞬止んだ隙にレミリアが一気に霧化する。


「うわわこれじゃ前見えないじゃん!」

 

 前は見えなくても操作することをやめないにとりは、ロボットのあちこちから機銃やらミサイルやらを出現させ、見境なく撃ちまくる。


「うふふ、お姉様ありがとう。あとはフランがやるね」


 フランの目が赤く、紅く光る。


「フォーオブアカインド」


 四人に分身したフランは、着実にロボットの装備を破壊していく。


「そんな……吸血鬼の攻撃程度で壊せるはずが……!」


 コックピットの中でにとりはただ一人困惑している。

 フランさえいなければ、この勝負はにとりに分があったかもしれない。


「あは、もう飽きたから終わりにしよっか」


 フランが分身を解き、本体一人だけに戻る。

 依然としてにとりは霧で前が見えていない。

 つまりは


「チェックメイトだよ、カッパさん」


 フランの手に炎の剣が握られる。


「禁忌・レーヴァテイン」


 横一文字に薙いだそれは、にとりのロボットの装甲など容易く貫通し、その胴体をど真ん中から真っ二つにしたのだった。


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