第78話 闘技大会編 魔理沙の動き
今大会のルールのおさらい!
一つ、審判の判断は絶対!
二つ、上記を破れば即退場!
三つ、相手を殺さなければどんな攻撃もOK!
四つ、ルールを守って楽しくバトル!
バトルロワイヤルの部は最後の一人になるまでただひたすらに戦ってもらいます。一応棄権も認めます。
草原地帯と森林地帯の二つのエリアが今回のエリアです。うまく木々を使って避けたり、草原に誘い込んで一騎討ち、なんてのもアリですね。
はたて、分かった?
うっさい、バカ
「………………」
スキマで移動したせいで突然入ってきた光に目を細める。
「私のスタート地点は森……か」
見渡す限りは木しか見えないし、どのくらい奥にいるかは分からない。どのみち視界を確保するために一旦飛ぼうか。
「よっと」
持っていた箒に跨り、飛び上がる。
「うーん……こういうの始めてだからよく分かんねぇけど……とりあえず草原のほうでも行ってみっか」
空を飛んでいくのはさすがに目立つ。藍やお空に撃ち落とされるよりは多少時間がかかっても歩いていったほうがいいだろう。
そうして、魔理沙は草原目指して歩き始めた。
「さぁほぼ全員が同時に動き始めた! 最初に出会うのは誰なのか! 解説のはたてさん。どうですか?」
「優勝したついでに幻想郷最速を殺してくれるよう頼みたいですね」
「おぉ、怖い怖い」
実況席もう少し真面目にやれ……。
「あと半分くらいか……?」
さっき上から見た感じだともうすぐ着くはず。
そう思って一歩踏み出した時、木の根に足を引っ掛けて転んでしまった。
「いてて……まさかこんなんでコケるとは」
そう呟いた瞬間、頭の上を何かが通過し、後方で爆発が起こる。
恐る恐る、最悪の予感を感じながら、顔を上げる。
「最初の犠牲者はあなたかしら? 魔理沙」
「…………ッ!!」
その姿を目に捉えた瞬間に方向転換、最高速で逃げ出す。
「あらぁ逃げるなんて酷いわ。少し遊んでからにしなさいよ」
しゃべりながらも幽香は一撃でノックアウトするレベルの弾幕を乱射してくる。
(やばいやばいやばいやばい)
今回で一番会いたくない相手その1に会っちまった! (もう一人は勇儀)
幸いなことに木々が多少幽香の弾幕の射線を遮ってくれるおかげで避けやすい。だがそれも時間の問題。
「もう少し……離れれば……!」
すでに幽香の姿は見えないが、念の為にもう少し距離を置く。
「相変わらず逃げ足は速いわね。ふふ、楽しみはとっておくことにしましょうか」
「はぁ……はぁ……危なかったぜ……」
さすがに最初に脱落ってのはダサすぎる。せめてベスト4くらいには残らないと。
木の影で少しずつ呼吸を整える。
「ふー……よし、いける」
息が整い、木から顔を出した瞬間、目が合う。
「げ、魔理沙」
「マスタースパーク!!」
「ちょぉぉぉぉぉ!!」
問答無用。
出会い頭にマスパを放つ。
「やったか?」
「いきなり何しやがるこのアマァ!!」
やってなかった。
どうやらギリギリで伏せたようで、無傷らしい。四つん這いになった状態の銀が喚いている。
たぶんこいつは当たりの部類。遠距離から弾幕で攻めればいつか勝てる。だがこの場所だとちと厳しいな……。
「悔しかったら私を倒してみせるんだぜ!」
今度はまた逆の方向へと逃げ出す。いくら足が早いと言っても私のほうが断然はやい。
一度逃げ切って、もう少し状況が進展してから動いたほうがいいだろう。とりあえずは身を隠そう。
すでに銀との距離が十分離れてから、魔理沙はどこか身を隠す場所を探し始めた。
「いやぁ開幕から幽香さんとぶつかるとは運がないですねぇ」
「そのあとうまく逃げられたみたいだけど、どうするのかしら」
「魔理沙さんは意外と強かなので状況確認のために一旦身を隠したのかもしれませんね」
(真面目に実況してる……)
突然実況を始めた文たちに少し驚きつつもこの後の状況を考える。
あの動き方だと次にぶつかるのは妖夢と鈴仙、お空と妹紅あたりか。
まだ勝負は序盤、これからの展開に少し期待する霊夢だった。




