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人と妖怪とetc.  作者: 那々氏さん
閑話 幻想に生きる
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第76話 闘技大会編 プロローグ

 

「フフフ……ついにこの時が来ましたよ……」


 机にペンを置き、立ち上がる。


「さて、最後の仕上げといきましょう!」


 部屋の扉を開け、新聞記者の天狗は悪い笑みを浮かべた。




 ──紅魔館──


「こんにちはー文々。新聞でーす」


「あれ、うち新聞とってないと思うんですけど……」


 予想外の客に、美鈴は咲夜を呼んでこようか一瞬考える。


「いえ、紅魔館のみなさんには今回だけ無料でお配りします」


 あの天狗が無料で、と言ったのだ。絶対になにか裏がある。


「あぁ、今メイド長さんを呼んでくる必要はありませんよ」


 ……見透かされてる。だが今、ということは別に見られても問題はない、ということ。一体何を考えてるんだ……?


「それでは私はこれで失礼しますねー」


 そんな美鈴の思考をよそに、文はさっさと飛び立つ。


「ぜひ皆さんで、お読みください」





 ──永遠亭──


「師匠ーさっき人里でこんなのが配られてたんですけど……」


「ん、どれどれ……」


 鈴仙が持ってきたのはどうやら新聞のようだった。「文々。新聞」と書いてある。あの天狗のか。


「幻想郷闘技大会……? 開催は明日、飛び入りも歓迎……」


 人間の祭り? いや、天狗が配るのだからそれは関係ないか。どちらにせよこれは輝夜には見せないほうがいいわね。絶対行きたいって


「面白そうねこれ!」


「はぁぁぁぁぁぁ…………」


 一瞬でバレたことに長いため息をつく。


「永琳これ隠そうとしたでしょ」


「そうね、どこぞのお転婆姫が我儘言い出すとキリがないもの」


「えー酷いわ。それが主に対する態度なのかしら」


「主を諌めるのも従者の務めよ」


 いつも通り終わりの見えない中身のない言い合いを適当にした後、仕方なく本題にうつる。


「話戻すけど、これ、参加したい?」


 結果はほぼ分かっている。


「もちろん!」


 一瞬の間も空けることなく食い気味に肯定する。


「じゃあ私も出るわ」


「え、嫌よ、永琳が出たらすぐ終わっちゃうじゃない!」


「ダメよ。二日目、私と一緒が条件」


 一人で一日目のバトルロワイヤルなんてやらせたらそのうち楽しくなって会場を破壊しかねない。(場所はまだ知らないが)


「…………」


「そんなむくれてもダメ」


「…………分かったわよ」


 最終的に輝夜が折れ、永琳と二人でペアを組んで参加することになった。


(他の参加者はもう決まってるのかしらね……)


 面倒くさいことにならないことだけを祈りつつ、永琳は残りの仕事を片付けるのだった。





 ──博麗神社──


「闘技大会……ねぇ」


「面白そうだなこれ」


 ついさっき文が無理やり押し付けてきた新聞には、幻想郷闘技大会なる面白そうな見出しがあった。


「私はパス」


「なんでだよ」


 興味なさげに新聞を机に放り投げる。


「私が出たらたぶん勝ちはできないけど負けはしない。面白い戦いはできないし見てるほうが楽しいわ」


 別にそんなことはないと思うが、確かに夢想天生で一方的すぎる戦いをするのもあれか。何より霊夢が自分で決めたのだから俺が口を出すことでもないか。


「そんじゃあ俺は一日目に出っかな〜。姐さんも出てきそうだし」


「姐さん?」


「勇儀のこと。今度こそ誰もが勝ちっていうぐらいで圧勝するぜ」


 次こそ、勇儀の本気を引き出す。

 そのためにまーた必死こいて修行したし紫に吹っ飛ばされたし紫にこき使われたし紫に悪戯なすりつけられたりしたけど。あれ後半全部ただのいじめじゃね?


「ふーん。ま、頑張んなさい。応援くらいはしてあげるわ」


「おう、見とけよ」


 やべー今日楽しみすぎて寝れないかもしれん。まぁ明日のことはまた明日考えればいい。

 そんなことを考えながら、明日に向けての調整をするのだった。





「うーん……」


 高い高い木の上でペンを走らせる。


「あとは以前から頼んでいたあの方々が来てくれるか、なんですが……」


 ペンを走らせる手を止め、メモ帳を閉じる。


「こればっかりは私でもなんとも言えないですね。運に任せましょう」


 結局考えることを放棄して、明日に備えて友人兼ライバルを丸め込みに行くのだった。

いかがだったでしょうか。

今回はこんな感じです。

まーた色んなキャラが出る予定なのでごちゃごちゃしないよう頑張ります。

それではまた次回、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。

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