表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人と妖怪とetc.  作者: 那々氏さん
閑話 幻想に生きる
70/120

第63話 女子会と男子会その2

──博麗神社──


「とはいっても、私そんなのわからないしねぇ」


霊夢の番になると、彼女は開口一番そう言った。


「言うと思ったぜ」

「言うと思ったわ」


魔理沙と鈴仙がほぼ同情にツッコみを入れる。


「じゃ、じゃあどんな人が好み?」


「金持ち」


「現金だなぁ……」


妖夢の質問に、いつもの無表情のまま即答する。

そこで今まで黙っていた咲夜が口を開く。


「じゃあ、銀のことはどう思ってるの?」


「あいつ……?」


霊夢が少し気難しい表情になり、考え始める。


(ナイスだぜ咲夜!)


話を続けられて助かったという気持ちもあったのか、魔理沙が咲夜にむけてサムズアップする。


「そうね……あいつは」


考えがまとまったのか、霊夢が話し出す。と思われたのだが


「ただの小間使いね」


たった一言で片付けてしまった。

全員がジト目で霊夢を見つめる。


「な、何よ……?」


魔理沙が立ち上がり、霊夢の肩に手を乗せる。


「霊夢、お前女子力磨いたほうがいいぞ。私なんか比じゃないくらいやばいぜ?」


憐れむような目で霊夢のことを見る魔理沙。

さすがの妖夢も霊夢を弁護できないようだ。


「う、うるさいわね! 咲夜はどうなのよ咲夜は!」


「そのまま私になるのね……」


指さされた咲夜は、分かったわ、と言って話し始めた。


「現時点では気になってる人……はいないわね」


咲夜のその言葉を聞いた途端、それ見た事かというような顔で霊夢が魔理沙を見る。


「でも好みのタイプってのはあるわよ?」


咲夜のその言葉には霊夢だけでなくその場にいた誰もが驚きの表情を見せた。


「そんなに驚くことじゃないでしょ……」


「どんな方がタイプなんですか……?」


妖夢が恐る恐る質問する。


「ん、そうね……私より強くて、お世話しがいのある人、かしらね」


意外にも咲夜はあっさりと答えた。


「私より強ければ、私より先に死ぬことはないでしょう? ただのエゴだけど、私を残して逝ってほしくないのよ」


どこか悲しげに、咲夜は目を伏せて言う。


「まさか咲夜がそんな恋愛観があったなんて驚きね」


「その耳引っこ抜くわよ」


「うわわごめんって」


ナイフを取り出した咲夜を魔理沙と妖夢が押さえ込み、なんとかその場を収める。


「次は妖夢か」


「それはいいんだけど……霊夢は?」


妖夢がさっきまで霊夢がいた場所に目をやる。


「咲夜の思わぬ乙女な一面にショックを受けたのか、部屋の隅でのの字書いてるぜ」


「うわぁ…………」


どんよりとしたオーラを出しながら霊夢が部屋の隅で丸くなっていた。憐れみぃ……。


「私は……咲夜みたいな人がいいなぁ……」


「お、本人いるのにそれを言ってくか」


魔理沙が茶々を入れると、妖夢は苦笑いで返す。


「クールだし、なんでも完璧にこなせるじゃない? そういうところに、すごい憧れちゃうなぁって」


「妖夢が思うほどでもないわよ」


咲夜は表情を変えずに言う。


「中々面白いことが聞けたな……そんじゃあ最後は……優曇華うどんげか?」


「はいはい」


鈴仙が話し始める時も、霊夢はまだ部屋の隅で丸くなっていた。


「私は……そうね、一途で努力家な人とかが好きかなぁ」


「へぇ、そりゃまたなんで?」


「私のことを真剣に思ってほしいし、努力してる人って、かっこいいじゃない」


そう言って鈴仙がはにかむ。


「なるほどなぁ……。」


ニヤニヤしながら呟いたあと、魔理沙が全員を見回す。


「とりあえず一巡したけど次はどうする?」


「決めてなかったのね……」


鈴仙のツッコミに魔理沙は小さく舌を出す。


「悪いけど、私もう帰らなくちゃ。明日の準備があるの」


そう言うなり咲夜が立ち上がる。


「そっか……もう結構時間経ってたんだな……」


辺りを見回せば、すでに暗くなり始めていた。


「じゃあ私たちも帰る?」

「そうね。もうすぐ夕飯だし」


咲夜に続いて妖夢と鈴仙も立ち上がる。


「そんじゃ、今日はこの辺でお開きだな」


全員が外に出て、別れのあいさつを交わす。


「第二回を楽しみにしてるといいぜ」


「今度はちゃんと何やるか考えてきなさいよ」


「分かってるぜー!」


咲夜、妖夢、鈴仙がそれぞれの方向へと帰っていく。


「さて、私も帰るか」


「あぁ、ちょっと待って魔理沙」


三人を見送った魔理沙が帰ろうとすると、ようやく復帰した霊夢が呼び止める。


「なんだぜ?」


「帰る途中に香霖堂に寄って銀を呼んできてほしいの」


「それくらいお安い御用だぜ」


「ん、頼んだわ」


魔理沙が箒にまたがり、宙へ浮かぶ。


「次までに女子力磨いとけよー!」


「うっさい、余計なお世話だっつーの」


一言多い魔理沙を見送った後、霊夢も神社へと戻っていった。




──帰り道──


少ししわしわになったうさ耳が、歩く度に揺れている。


「妖夢、あれ絶対咲夜のこと好きだよな……」


本人は『憧れ』と言ってたけど……あんな顔で言われちゃあなぁ……。


(いやでも、私でも頑張れば咲夜みたいになれるはず!)


立ち止まって、空を見上げる。


「よしっ、頑張るぞ……!」


少女は、小さくそう呟くのだった。




──同時刻 別所──


(鈴仙さん、一途な人が好きなのか……)


私も剣の修行を続けて、いつか鈴仙さんのことも守れるくらいに……。


「頑張らなくちゃ……!」


幽人の剣士は、夜空の下でそう決意するのだった。

いかがだったでしょうか。

女子会も男子会も完全に想像でしかなかったです。

妖夢と優曇華って、なんかすれ違っちゃうイメージがあるんですよね。

個人的にすごく応援したい二人です。

それではまた次回、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ