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人と妖怪とetc.  作者: 那々氏さん
第5章 霊知の太陽信仰
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第60話 地底編 エピローグ

──地底 入口──


「ふぃー……ようやく帰れるな」


地上からさす光を見て、思わずそんなことを呟く。


「じゃああたいはこの辺で帰るよ」


お燐がこちらに手を振り、空の荷車を押していく。


「あぁ、ちょっと待ちなさい。お燐……だったかしら」


そんなお燐を霊夢が引き止める。


「何だい?」


「紫があんたに用があるんだって」


その言葉を聞いた途端、何かを察したのかお燐が走り出す。


「「「「えっ」」」」


「これ以上お仕事増えるのはいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


(あぁ、そういうこと……)


彼女の叫びが地底にこだまする。

あっという間に姿が見えなくなったお燐に、少しばかり同情する。

もともとは彼女は悪くないが、出てしまった怨霊を地獄に戻せるのは彼女だけだ。必然的に彼女は働かされるだろう。ご愁傷さま。


「まぁ私は伝えたからいいわよね」


「どうせ紫に捕まるだろうしな……」


そう呟いた霊夢に同意する。

紫は怨霊がこれ以上出てこないと分かるとパチュリーたちに任せて寝てしまったんだとか。きっと起きたら捕まえにいくだろう。


「あーあ、結局めぼしいものは無かったぜ……」


「私はいい写真が撮れたので満足ですねー」


肩を落とす魔理沙の前で、『いい写真』を見せびらかしながら飛び回る。


「ほらあんたたち、喧嘩してないで帰るわよ」


霊夢が振り返り、箒を振り回す魔理沙とわざわざギリギリで避ける文を呼ぶ。


「これで異変解決、お疲れ様」


「おつかれ」

「お疲れ様でーす」

「おつだぜ」


地上に戻ってみれば、もう夕方になっていて、四人はそれぞれの場所へと帰っていった。




──博麗神社──


「あれ、今日メシ当番どっちだっけ」


「忘れたとは言わせないわよ」


鋭い目で睨まれたので文句を言わずにさっさとメシを作りにいく。


「ようやく一息つけるわね……」


戸棚からお気に入りの湯呑みを取り出し、お茶を注ぐ。

いつもの定位置、縁側まで行き、空を眺める。


(あ、一番星……)


まだ日が沈みきってはいないが、その星は一際輝いている。

ふと、すぐ横を何かが通り過ぎた気がする。

ゆっくりと、後ろを振り向く。

そこには


「おい、呼んでんだから返事くらいしやがれ」


少し怒ったような顔の銀が立っていた。


「ん、聞こえてなかった。悪いけどもう1回言ってもらえる?」


そう言うと、銀は大きなため息をついてからもう一度話す。


「はぁぁ、だーかーら。魚、煮るか焼くか、どうする。どっちでもいいは認めない」


「じゃあ焼き魚で」


「りょーかい」


銀と話しながら部屋を見回すも、特に変わった様子はない。


(気のせい……?)


そう思って首を傾げた時だった。


「気のせいじゃないよ」


中庭から声がする。

急いで振り返ると、そこには少女がいた。どことなくさとりに似ている気がする。


「どうした? 霊夢。誰か来たのか?」


銀が怪訝そうな顔でこちらを見る。


「見えないの? そこに……女の子が」


「女の子?」


銀が中庭に目を凝らす。

数秒後、驚きの表情を浮かべてこちらに顔を向ける。


(えっあれ、あの子いつの間に?)


(分からない。私もたった今気づいたの)


二人でヒソヒソ話していると、その少女が近づいてくる。


「すごいねーお姉さん。お兄さんもだけど、私を見つけられる人って少ないんだー」


こちらがヒソヒソ話しているのにも不快そうな顔はせず、どちらかといえば無関心、だろうか。彼女はそんなことは気にもせずに話し始める。


「ねぇねぇ、あなた達お姉ちゃんと遊んだんでしょ? 私とも遊んでよー」


「お姉ちゃん?」


「うん、さとりお姉ちゃん」


その言葉に、銀が反応する。


「お前さとりの妹か!」


「そだよー。私は古明地さとりの妹、古明地こいし。よろしくね」


身長はさとりより少し大きいくらいで、さとりと同じような第三の目が浮いている。こいしのものは目が閉じているが。


「俺は銀。よろしくな」

「私は巫女、博麗霊夢よ」


「うん! じゃあ早速私と遊んで!」


「待って待って、私たちも疲れてるから」


今すぐにでも弾幕を撃ち始めようとするこいしをなんとかなだめる。

そこで、銀が何か思い出したように声を上げる。


「そういやあれだ。さとりが1回帰ってきて顔を見せにきてほしいってさ」


「お姉ちゃんが?」


「そ、だから今日は地霊殿に帰ってみたらどうだ?」


ナイス銀。珍しくこういう場面で役に立った気がする。


「うーん……でも……」


まだこいしは少し渋っている。

もう一押しかしらね。


「弾幕勝負なら明日してあげるから。ね?」


「むぅ……分かった。じゃあ明日遊んでね! 約束!」


「はいはい」


こいしが差し出してきた小指に自分の小指を絡め、指切りをする。


「明日絶対だからねー!」


何度も振り返るこいしに手を振り返す。


「意外な一面だな」


「どういう意味かしら」


「さぁ?」


そう言うと、銀は肩をすくめて夜ご飯を作りに戻っていった。




次の日、早朝からやってきたこいしが、布団にまで入り込んできたのはまた別のお話。

いかがだったでしょうか。

これで地底編は終了となります。

こいしちゃんは神出鬼没なのでこれから結構出番があるかもですね。

それではまた次回、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。

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