第42話 緋想編 異変と異常気象
明らかにおかしかった。
最近なぜか秋らしくない晴れの日が続いている。しかも霊夢の近くだけ。
他にも魔理沙のとこは霧雨、咲夜は曇天、レミリアは濃霧といった具合に、なぜか個人に対して異常気象が発生していた。
原因は不明。黒幕も不明。
誰もが異変だとは思った。
そして、唐突にそれはやってきた。
──博麗神社──
「なぁ霊夢」
「何?」
暑さのせいか少し怠そうに霊夢がこちらを見る。
「これ、異変だよな」
「異変なんじゃない?」
あくまで自分は興味ないといった感じの表情をしている。
……こいつ本当にやる気ねぇな。
「異変なら解決したほうがいいんじゃないか?」
「だって……暑くて勘が働かないし、動く気にもなれないでしょう」
霊夢の言いたいことも分かる。
最近ちょうどいい涼しさになっていたから、突然暑くなられて体調も悪いのだろう。
「それでも俺らが……」
そこまで言った時だった。
突如地面が揺れ出した。
「うわわっなんだこの地響き!?」
「銀! 外に出るわよ!」
さっきまでの気だるそうな態度はどこへやら。一瞬で判断し、外へ転がりでる俺たち。
間一髪、といったところだろうか。
「……嘘だろおい」
「…………」
神社が、崩れていく。
あと少し外に出るのが遅れたら、俺たちも巻き添えを喰らっていたかもしれない。
奇妙なことに、この地響き、どうやら博麗神社だけに起こったらしい。一体どんな方法を使ったのかは知る由もないが。
少しして、ようやく地響きが収まる。
「これ……どうすんだ……」
あまりの出来事にちょっと心が折れそう。あぁ……俺が大切にとっといた饅頭……。
「…………さない」
「え?」
霊夢が小さく何かを呟く。
見ればわなわなと肩を震わせている。
「ゼッッッッタイ許さない! この異変起こした奴しばき倒してやるわ!!」
「お、おう。それがいいと思うぞ?」
あまりの怒りに若干引く。いや、今までで一番怒ってるんじゃないかこれ。
「銀! 手分けして黒幕を見つけ出すわよ! あんたは人里行って!」
「へいへい」
理由はともかくやる気になったようだ。こりゃあんま時間かかんないかもな。
怒っている霊夢の背中を見なが俺は思う。
「聞き込みねぇ……あんま得意じゃないんだけど」
そんなことを呟きながら。
──同時刻──
幻想郷の各地では、空に緋色の雲が観測される。
これは、異変だ。
すでに黒幕に気づいているもの、主の命令で動くもの、もっと大きな予兆を感じて調査をするもの。
各々の知った経緯は違えど、目指す黒幕は同じ。
それに気づいているものはいないが。
かくして幻想郷の住人たちは、異変解決へ向かうのだった。
──???──
「あっ! ようやく動き出したみたいね!」
その少女は小さな子供のように目を輝かせて喜ぶ。
「神社を壊さないと動かないくらい鈍いとは思ってなかったけど……」
まぁいっか、と呟く。
「実力ありそうなのには色んな天気おこしたし、はやく来てくれないかなぁ」
それはまるでプレゼントを待つ子供のようで
「“異変解決ごっこ”始まり始まり〜」
そんな少女の呟きは、誰に聞こえるわけでもなく虚空に消えた。
いかがだったでしょうか。
新たな異変の始まりということで今回は少し短めです。
今回の異変は今までより特殊な感じですが、楽しんでいただけるよう頑張りたいと思います。
それではまた次回、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。




