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人と妖怪とetc.  作者: 那々氏さん
第3章 竹取飛翔
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第33話 永夜編 不老不死と薬師

──永遠亭 廊下──


霊夢の勘をたよりに、ひたすら廊下を走り続ける。

確か、4回目に右に曲がった時だった。霊夢が急停止する。


「止まって」

「ちょおっぐえっ」


襟首を掴まれて喉が締まる。

もうちょっと優しく止められないのかこの女は。

そう思った次の瞬間、轟音とともに横の部屋の障子が吹っ飛ぶ。


「おっと」


さらに飛んできた数本の矢をかわす。


「あら、意外とすばしっこいわね」


部屋の中から声がする。

そっちを向くと、そこにはひとりの女性が弓を構えて立っていた。

見た目で判断するのはよくないが、雰囲気でいえば紫タイプ。俺の苦手な人種だ。


「あんた、この異変を起こした張本人でしょう」


俺が聞くよりもはやく、霊夢が断言する。


「根拠は?」


不敵な笑みを浮かべながら、その女性は霊夢に聞く。


「ただの勘よ」


霊夢は迷いなく言い切る。

そう、こいつはこういう女だ。自分のすることが正しいと信じることができる。正直人間には見えない。

案の定女性は目を見開いて驚いている。


「なるほど、勘ね。どうりで計算が狂うわけだわ」


言いながら、女性は矢を番える。


「私は八意永琳やごころえいりん、しがない薬師よ」


永琳、と名乗った女性は、顔に似合わず可愛らしい笑顔を浮かべる。


「半妖、銀」

「博麗の巫女、博麗霊夢よ」


殺気が高まる。おそらく一瞬の油断も命取りだ。


「ひとつ、良いことを教えてあげるわ」


永琳が、突然話し出す。


「私は不老不死なの。信じるか信じないかはおまかせするわ」


それだけ言うと、永琳がすぐさま矢を放つ。

それを合図に、戦闘は始まった。


「天呪・アポロ13!」


永琳を中心に左右に光弾が配置される。

それが凝縮されたかと思うと、一瞬で拡散した。


「くっ・・・」

「後ろにいなさい! 二重結界!」


霊夢が即座に反応、結界を張って光弾を受ける。


(ねぇ、銀)


(あ? 何だ)


結界で弾幕を防ぎつつ、こちらに話しかけてくる。


(この異変の黒幕、おそらくあいつだけじゃないわ)


(・・・姫って呼ばれてたやつか)


(えぇ)


確かに、彼女が異変の黒幕だとしたら、自身がここまで出張る必要はない。

だが、それはつまり


(どっちが残る?)


そう、黒幕がもう一人いるのなら、どちらかはそっちに行かなければならない。かといって、彼女は不老不死だと言っていた。それが本当だとしたら確実に一人で勝てる相手ではない。


(それは・・・)


「内緒話をするほど余裕があるのかしら?」


そう言うと、彼女はさらに大量の弾幕を放ってくる。


「私が残る! あんたは先に行きなさい!」


結界を解いた霊夢が術を展開、永琳の光弾に対抗する。


「させるわけないでしょう? 天丸・壺中の天地」


俺と霊夢を中心に、なにか黒い影のようなものが現れる。おそらくは使い魔か。


「大丈夫、死にはしないわ。死ぬほど痛いかもしれないけど」


影の魔力が高まる。


「クソッ!」

「ちょっあんた何やって」


咄嗟に霊夢を庇い、歯を食いしばる。


(南無三!)


神も仏も信じちゃいないが、ついそんな言葉が出てしまう。


影から強力なエネルギー波が放たれる。




何秒待ってもなんの衝撃もない。

少し、目を開けると


「これは・・・紫のスキマ!?」


周囲に浮かぶ無数の目。それにこの胡散臭いような気は紫のものだ。


「あの程度でへばるなんて、弟子失格ね」


紫が外からスキマを通じて覗き込んでくる。


「ここは私が引き受けたわ。先に行きなさい」


「でも」

「いいから」


紫は有無を言わさず俺たちをスキマで飲み込む。

次に目を開けるとそこは永遠亭の廊下だった。


「計算外が多いわね」


少し悔しげに永琳が言う。


「紫、頼んだわよ」

「はいはい」


霊夢がそう言って、すぐさま飛び立つ。少し迷ったが、俺もその後を追いかけ、走り出す。


「薬符・胡蝶夢丸ナイトメア」


永琳がそう唱えると、蝶の形をした弾が追尾してくる。

だが、それは俺たちに触れる前に紫のスキマに吸い込まれていった。


「あなたのお相手は私でしょう? 八意永琳」


「・・・・・・」


二人が睨み合う。


「さぁ、楽しみましょう」


紫の生み出したスキマが、その部屋ごと永琳を飲み込んだ。




「霊夢、あとどれくらいだ!」


「あの角部屋よ!」


もうかなり走ったせいか、少し息が上がっている。だが、あと少し。


その部屋で待っているのは、狂気か、それとも


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