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人と妖怪とetc.  作者: 那々氏さん
第二章 幽雅に咲かせ、墨染の桜
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第22話 白玉楼編 人魂と夜

──白玉楼 和室──


「さぁどんどん食べてくださいね」


妖夢と咲夜の作った豪華な料理が次々と食卓に並べられていく。


「おぉーうまそうだな!」

「ご馳走・・・タダ・・・食べ放題・・・」

「ふふっ、少し量が足りないんじゃないかしら」


魔理沙、霊夢、幽々子はすでにご馳走のほうに意識が行ってしまっている。

かくいう俺もここまで豪華なのは初めて見たが。


「幽々子様、お客様がいるんですから食べ過ぎはダメですよ?」


「まぁ、私の唯一の楽しみを奪うっていうの?ひどい従者ね・・・」


「そんなこと言ってもダメでーす」


しくしく・・・と、わざとらしい泣き真似をする幽々子に妖夢はまるでお母さんのように注意する。


「それにしても咲夜さんとても料理がお上手なんですね」


「そう・・・かしら、自分で作ったものはよく分からないわ」


妖夢は素直に賞賛するが、咲夜は首を傾げている。すでに仲良くなっているようだ。

その横では魔理沙と幽々子が大食い勝負をしている。


「おいおいがっつき過ぎじゃねぇか?」


「あら、売られた喧嘩を買う程度には遊び心はあるわよ?」


「今日っ、こそ、幽々子にっ、勝つ、ぜっ!」


「分かったから食いながら喋るな・・・」


笑顔で返す幽々子に必死で食べる魔理沙。どうやら勝負は見えているようだ。

霊夢はというと・・・


「お前、何やってんだ・・・?」


「・・・食べ物詰めてんのよ」


手に何か箱のような物を持って、それに料理を入れている。何だあれは。


「それ何だ?」


「霖之助さんのとこに置いてあったのよ。何でも長期保存に向いてるんだとか」


「へぇ、便利なもんだな」


タッパーというらしい。なんでも異世界から取り寄せたんだとか。どうやったんだよ。


香霖堂ってホント何でも置いてあんだな・・・


霖之助の蒐集癖の凄さを改めて知った銀だった。




──数十分後──


「も、もう食えない・・・」


「あー美味しかった〜」


青ざめた顔で横たわる魔理沙に終始笑顔で食べ続けた幽々子。

妖夢は厠へ行っていて、咲夜はすでに後片付けを始めている。

その横で霊夢は静かにお茶を飲んでいた。


あれ、俺ら何しに来たんだっけ?飯食いにだっけ?


「あ、そうそう。もう準備できたわよ、魔理沙」


「んあ、何の準備だ?」


「魔理沙が言ったんじゃない、幽霊見せてくれって」


「そういえばそんなこと言ったような・・・」


そういやここに来たの肝試しするためだっけな。言い出した本人すら忘れてるし。


「じゃあ中庭まで来てちょうだい」


そう言うと、幽々子は先に行ってしまった。


「妖夢、私たちも行きましょう」


「そうですね、魔理沙に霊夢に銀さんもはやく来てくださいね〜」


咲夜が、ちょうど戻ってきた妖夢に声をかけ中庭に向かう。


「うぷっ・・・吐きそ・・・」


「吐かないでよ、絶対に吐かないでよ魔理沙」


フラフラしながら魔理沙、霊夢も続いていく。


「俺も行くかな・・・」


もう少し食後はゆっくりしたかったがまぁいいだろう。




──白玉楼 中庭──


俺が着いた時には、もう準備は万端のようだった。


「はやくやってくれよ幽々子!」


「はいはい、急かさないの」


子供のように興奮する魔理沙の横では霊夢が少し眠たそうに瞳を細めていた。


「それじゃ、いくわよ」


幽々子がそう言うと、庭のあちこちに少しづつ、青白く光る人魂のようなものが飛びはじめた。


「おぉー」

「・・・・・・」

「これは・・・お嬢様たちにも見せたかったわね」

「いつ見てもすごいですね〜」


楽しそうな魔理沙に、無言だが、細めていた目を開き感心している霊夢。咲夜の正直な言葉と、いつも見ている妖夢の感心したような声。


(確かに、こんなのは初めて見るな・・・)


青白く光る数百の人魂が空を泳いでいく。月明かりに照らされた池がそれを反射して、より幻想的な風景を演出していた。


「ふふ、すごいでしょう?ただ、数分間しかできないからちゃんと目に焼き付けるのよ?」




幽々子の言葉通り、人魂たちの宴は数分で終わってしまった。


「終わっちまったな・・・」


「そうね」


魔理沙は少し物足りなそうだが、一応は満足したようだ。


「さて、今日はもう遅いし、みんな泊まっていきなさいな」


「さすがにそこまでお世話になるわけには・・・」


「ここは空いてる部屋がたくさんあるから大丈夫よ」


幽々子の提案に、咲夜が遠慮しようとするが、ここの主がいいと言うならいいのだろう。咲夜もしぶしぶながら承知したようだ。


「じゃあ妖夢、みんなを案内してあげて」


「はーい、銀さんは男性なので一人部屋ですがご了承を」


俺以外はみんな同じ部屋で寝るようだ。男だからね、仕方ないよね。


「あぁ、お嬢様たち大丈夫かしら・・・美鈴はちゃんと仕事してるかしら・・・」


「心配性だなー咲夜は。大丈夫だろさすがに」




───────────────

「はっくしゅ!」


「美鈴、風邪?」


「大丈夫ですよ妹様、私は元気です」


「念のためおまじないしてあげるね?」


「おまじない?」


「つらいのつらいのとんでけ〜」


「おお!なんだかさっきより元気になりましたよ!」


「本当?」


「本当です!だから今日はもう寝ましょうね」


「はーい」

───────────────


「おやすみお前らー」


「おやすみ・・・」

「いい夢見ろよー!」

「おやすみ」

「おやすみなさい」


お互いにおやすみを言い合ってから、それぞれの部屋に入っていった。


「今日は色々あったな・・・」


疲れはしたが、確かに楽しかった。

たまにはこういうのもいいもんだな。

そんなことを思いながら、銀は眠りにつくのだった。

いかがだったでしょうか。

ちょっと技術力が足りなくて、あまり風景を伝えられなかったかもしれませんが、楽しんでいただけたら幸いです。

また次回、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。

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