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白ウサギのVRMMO世界旅  作者:
【第一章】白ウサギと打上花火
9/94

8.初めての調合

 おじさんと分かれ(いつの間にかいなくなっていた)た俺は、緑の休息場の先にある『続きの大地』に足を運んでいた。


 ゲーム内時刻は夜に変わり、透き通っていた空は漆黒の闇に覆われ遠くまで見えていた景色が、全く見えなくなっていた。

 風が強まり、少し肌寒さを感じる。


 ……さて、食事をしながらおじさんに教えてもらったところ、このフィールドから『素材』を拾えるようになるとか。特に調合系のものが多いそうで、初期調合セットを試す良い機会だ。


 相変わらず妨げるものがない、それでいてプレイヤーたちが荒々しく駆け回る姿を横目に、俺はフィールドをゆっくりと探索していく。


「……おっ」


 そして、見つけた。草地を照らす白い球体の光を。


 俺は迷わず、その謎の輝きに触れてみた。



【薬草】×2 GET!



 すると、そんな文字が眼前に浮かび上がった。


 光は素材の在り処を示しており、フィールド各地に散らばってるという。草地なら調合系が多く海辺なら調理系が多かったりなど、場所によって様々らしい。


 プレイヤーたちのお陰でMOBのターゲットにはならないので、周りを警戒することなく素材集めに集中できた。


 結果、十枚の薬草が手に入った。


 このまま使用しても効果があるけど、かなり微弱。二枚を使用することで作成できるという『ポーション』にした方が遥かにマシだ。


 俺は、再び緑の休息場に戻る。


 プレイヤーたちの邪魔にならないよう、先ほど料理をした高台の側までやってくる。その聳え立つ壁に背中を預け、初期調合キットを出現させた。


 ポスン、と草地に置かれたのはすり鉢とすりこ木。そして試験管だった。


「う、うおお……変にリアルだなぁ……」


 目の前にある物たちを見て、戸惑ってしまう。


 ……料理ならある程度の知識はあったけど、これは皆無に等しい。説明書に基礎知識としてポーションの作製法があったけど、上手くできるか心配だ。


 とりあえず、説明書通りにやってみようか……。


 薬草をすり鉢に入れて、すりこ木でゴリゴリと細かくすり潰していく。頃合いを見て、休息場にある井戸から汲んできた試験管の水を加えて……



――スキル《調合》を取得しました。



【ポーション】ランク:F

効果

HPを20%回復させる。



 ……意外とできるものなんだなぁ。


 とりあえず、薬草全てを使用して五個のポーションを完成させる。その中でスキルレベルが一つ上がった。


 そういえば調合も料理も、材料が合っていてもレベルが足りないと失敗したりするんだっけ。旅をしながらちょくちょく作っていった方が良さそうだ。


「……お? 明るくなってきた……」


 そんなことを考えていると、空の闇が次第に晴れていっていることに気づいた。……もう一時間経ったのか。


 視界上部に集中すると、もう夜の七時前だった。


 ……そろそろ晩御飯の準備しないとな。


 まだゲームをしたいという欲を抑え、即座にウィンドウを開き、ログアウトマークをタップする。


 色々とやることを終えて、次にログインできるのは九時頃かな? そうしたら今度は、旅を再開しようか。



現在のステータス

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【スキル】

《ブーメランLv3》《投擲Lv3》《クライミングLv1》《料理Lv1》《調合Lv2》

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