13.PK(プレイヤーキラー)
ちょっと短いです……ごめんなさい!
「……PK(プレイヤーキラー?)」
翌日の昼休み。
食堂にて、正面に腰かけている海斗に俺は首を傾げてそう尋ねていた。
「おう。まさかサービス開始二日目で現れるとは思ってもみなかったぜ」
呆れたように言って、海斗は手元のカツカレーを頬張った。
俺もまた、購入したざるそばを啜りながら考える。
……PKとは、簡単に言えばプレイヤーがプレイヤーを襲う行為のことだ。
確か【セカンド・ワールド】にはそのシステムが搭載されていたな。……でも、まだプレイヤー同士のステータスにそれほど差がない現状で、よくPKなんて行えるものだ。返り討ちにあう可能性だってあるのに。
「そのプレイヤー強いの?」
「強えよ」
即答だった。
「全員がまだ見たことのねえ装備を身につけてた。俺もかなり進んでいる方だと思うけど、あいつらはもっと先を行ってたな」
「全員ってことは複数? それに、まるで戦ったことがあるみたいな言い方だけど……」
「ああ。昨日、戦り合ったんだよ」
海斗はカツをむしゃむしゃと平らげた後、
「何でか知らねえけど、PT組んでレベル上げしてたらいきなり襲われてな。……あー! 思い返しても腹が立つぜ! あんな複数で来られたら勝てるわけねえだろ!」
悔しそうに、スプーンで皿をコンコン叩く。
【セカンド・ワールド】のPTシステムは四名が限度となっている。どうやら相手はそれを遥かに上回っているようだけど……。
「しかもあいつらやり方が汚ねえんだ! 女ばかり集中して狙いやがって……!」
「女の子?」
「ああ、ちょうど組んでいたPTに一人いたんだけどよ……まるでそいつを狙っているような感じだったぜ。俺たちは守ろうとして反撃にあったわけだ。……つーか何よりも腹が立ったのは、俺と戦ってるヤツがつまらなそうな顔をしてたことだけどな! んがー腹立つ!」
「ふーむ……」
まさか、そんなプレイヤーがいるなんて。
……そういえば、あの世界の俺の容姿は女の子なんだっけ? なんか嫌な予感がするなぁ……。
とりあえず、警戒しながら旅をしないと。
「お前も気をつけろよ? 女みたいな顔してんだからよぉ」
「うん」
「す、素直だな。冗談のつもりだったのに」
「……あ、そっか」
海斗はあの世界の俺を見たことがないんだった。
これは話しておかないといけないな。
「ん、どうした?」
「ううん。何でもない」
……いや、どうせなら驚かしてやろう。
ふっふっふ、いつもイジられている仕返しだっ。




