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白ウサギのVRMMO世界旅  作者:
【第一章】白ウサギと打上花火
14/94

13.PK(プレイヤーキラー)

ちょっと短いです……ごめんなさい!

「……PK(プレイヤーキラー?)」


 翌日の昼休み。

 食堂にて、正面に腰かけている海斗に俺は首を傾げてそう尋ねていた。


「おう。まさかサービス開始二日目で現れるとは思ってもみなかったぜ」


 呆れたように言って、海斗は手元のカツカレーを頬張った。

 俺もまた、購入したざるそばを啜りながら考える。


 ……PKとは、簡単に言えばプレイヤーがプレイヤーを襲う行為のことだ。


 確か【セカンド・ワールド】にはそのシステムが搭載されていたな。……でも、まだプレイヤー同士のステータスにそれほど差がない現状で、よくPKなんて行えるものだ。返り討ちにあう可能性だってあるのに。


「そのプレイヤー強いの?」

「強えよ」


 即答だった。


「全員がまだ見たことのねえ装備を身につけてた。俺もかなり進んでいる方だと思うけど、あいつらはもっと先を行ってたな」

「全員ってことは複数? それに、まるで戦ったことがあるみたいな言い方だけど……」

「ああ。昨日、り合ったんだよ」


 海斗はカツをむしゃむしゃと平らげた後、


「何でか知らねえけど、PT組んでレベル上げしてたらいきなり襲われてな。……あー! 思い返しても腹が立つぜ! あんな複数で来られたら勝てるわけねえだろ!」


 悔しそうに、スプーンで皿をコンコン叩く。


【セカンド・ワールド】のPTシステムは四名が限度となっている。どうやら相手はそれを遥かに上回っているようだけど……。


「しかもあいつらやり方が汚ねえんだ! 女ばかり集中して狙いやがって……!」

「女の子?」

「ああ、ちょうど組んでいたPTに一人いたんだけどよ……まるでそいつを狙っているような感じだったぜ。俺たちは守ろうとして反撃にあったわけだ。……つーか何よりも腹が立ったのは、俺と戦ってるヤツがつまらなそうな顔をしてたことだけどな! んがー腹立つ!」

「ふーむ……」


 まさか、そんなプレイヤーがいるなんて。


 ……そういえば、あの世界の俺の容姿は女の子なんだっけ? なんか嫌な予感がするなぁ……。


 とりあえず、警戒しながら旅をしないと。


「お前も気をつけろよ? 女みたいな顔してんだからよぉ」

「うん」

「す、素直だな。冗談のつもりだったのに」

「……あ、そっか」


 海斗はあの世界の俺を見たことがないんだった。

 これは話しておかないといけないな。


「ん、どうした?」

「ううん。何でもない」


 ……いや、どうせなら驚かしてやろう。


 ふっふっふ、いつもイジられている仕返しだっ。



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