1/3
プロローグ
腕っ節が強く、底抜けに明るい少女。
束ねた黒髪を靡かせて笑う彼女は、街娘などではない。
己を武器にして戦う、女騎士だ。
赤い衣に鎧を纏い、小柄ながら屈強な男達に混ざって敵を斬り払う。その姿は【戦乙女】と謳われ、肖像画に描かれるほど。
異民族でありながら、薄紅ノ国の王宮で王女の護衛を務める彼女の正体は…
かけがえのない仲間達に出会い、剣を振るい、大切な人達を、王国を守るために強くなりたいと願う。
騎士として…そして、少女から女性へと成長していく彼女の鮮やかな物語が、今始まる。