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揺れる

 

 うちにこない?

 早い、早すぎない?

 性欲アピールはしたけど、そこまではないよ。

 美人局かなあ。

 対策しとかなきゃ。

 会計を済ませて店を出る。

 値段は、まあ、いい感じ。

「家近いの?」

「ここから5分くらい」

「近い、家賃とか高そう」

「普通だよ」

「あーたのしみー」

 空は真っ暗、星も見えない。

 雲が厚いのかな。

 でも、2人で夜道を歩くのは楽しい。

 ロマンあるよね。

 やれるかも。

 強請られるかも。

 っていうか、出逢いってそういうのも、醍醐味だよ。

 これまでも幾多の女の子と会ってきたけど、なんやかんや切り抜けてきたし、大丈夫でしょ。

 強請られたことはないけど。

 同性を強請るってあるのかな。

 カツアゲがあるんだから有るでしょ。

「あ、ラブホテル」

「私ここ使ったことあるよ」

「そーなんだ」

 広いし、けっこう安かった。

 思い出してむずむずしてきた。

「はーい到着ー。あ、部屋片づけるからちょっと待ってて」

「あ、うん」

 アパートの前に取り残された。

 せめてロビーに入れてほしい。

 さっきのラブホに近いなあ。

 デリヘルっぽいお姉さんいるし。

 話し掛けたいなあ。

 セクシーって非日常だよね。

 と思ってたら、おっさんがやってきて、一緒に入っていった。

 上下スウェットとかでもいいのね。

 これからやりますって感じだ。

 いつかデリヘル呼んでみたい。

 さて、取り残されて5分経った。

 夜だしタイツじゃ寒い。

 来なかったらどうすんだよ。

 もしかして仲間呼んでる?

 玄関のとこにマヌケ女いるから拉致っていいよ!的な。

 あーこわ。

 あれ、最後に能力使ったのいつだっけ?

 先月くらい?

 たぶんね。

 ちなみに能力とは有り体に言えば、超能力とかのこと。

 あ、でもこれは能力バトル物じゃないから、そこまで重要な奴じゃないよ。

 その昔、日向夏って女の子が自分より年下全員に、能力を与えて遊んでたんだって。

 日向夏が私より1か2くらい年上だから、私もその例に漏れず能力貰ったよ。

 でも、私が高2くらいのときかなあ。

 ほんと突然だよ、記者会見があって、日向夏って名乗る女の子がでて、私が能力の大元だーとか、これからは能力の配信を止めるーとか、画集自費出版したから買ってねーとか言ってたわけよ。

 もう皆大騒ぎ。

 皆能力は自分が生み出したものって思ってたし、人類の進化だとかいう本も出てたし、その他もろもろ根底から覆されたわけで。

 最初は誰も信じてないし、これまでも似たようなこと言う自称専門家いたからね。

 でも、ほんとにその日から能力の出力が落ちた気がするし、能力のある新生児もいなくなったらしいよ。

 一番のギャグは記者会見の時に宣伝してた画集が、年間売上部数でトップに輝いたことである。

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