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能力だもの

 

 目の前にそびえるは1メートル以上のパフェのサンプルだった。

 120センチだって。

 食べたい。

 お好きな席へどうぞ、と言われたので窓際に座る。

 お冷やを口にしながら、商店街を見下ろす。

 ぼちぼち通行人が減ってきている。

「何にする?」

「うーん……おすすめは?」

「パフェ」

「クロワッサン食べたからねえ」

「やっぱトルコライスじゃない?」

「うーん」

 メニューを逆さにみる。

 グラタンがいいな。

「グラタンにするわ」

「じゃあ、うちハンバーグ定食」

「へい、すみませーん!」

 店員さんを呼ぶ。

「ご注文どうぞー」

「ハンバーグ定食とグラタンのセットです、以上です」

 店員は注文を繰り返して引っ込んでいった。

 家族連れが1組、老夫婦が1組。

 誰かジャンボパフェ頼まねえかな。

 パフェと集団でポラロイド写真。

 妙に学生服が多い。

「あのパフェ頼んだことある?」

「ないよ。修学旅行とかで来た学生が頼んでるんだって」

「あーね」

 頼んだら最後、余所者ってバレてしまうじゃん。

「食べ終わったらどうする?」

「どーしよ。食べてから考えるよ」

 どーしよ。

「お待たせしましたー。ハンバーグ定食になります」20分くらい? おお。うまそう。

「ありがとうございます」

「お先どうぞー」

 やっぱグラタンは時間かかるなあ。

 100円占い機を動かしたくなる。

 これ昔10円だった気がするんだよ。

 迷う。

 あと5分待ってこなかったら回そう。

「お待たせしましたー。グラタンとセットになります。器お熱いのでお気をつけ下さい」

「どうもですー」

 グラタン。サラダ。パン。

 デザートはあとで頼めば来るらしい。

 やっぱ手作り感あるグラタンはいいな。

 具の密度が違う。

 冷凍物には入らない具材だらけだ。

 カボチャ、えのき、大根、ほうれん草、玉ねぎ。

 季節感は、ないね。

「いただきます」

 熱々のグラタンを頬張る。

 めちゃくちゃ熱いけど美味い!

 はふ、はふ。

 サラダは普通だな。

 パンはグラタンに合う。

「美味いな」

 とハルナちゃんを見ると、ハンバーグが一切れしかない。

 速い。

「あ、食べるの遅くてごめんね」

「いいよー」

「すみませーんデザートお願いしまーす」


「これ食べ終わったらさ、時間ある?」

 なんか、もよもよとした言葉。

「うん、大丈夫だよー」

「じゃあさ、うちこない?」


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