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自信なさすぎ

 

 その日は、4ヶ月振りに、連絡のとれた女の子と会う日だった。

 ハルナちゃんという。

 4ヶ月振りとか言っても初対面だよ。

 18時に集合して飯に行く予定だ。18時って夕食にしては早くない?

 夕方と呼ぶには明るい空だ。バイトなくて良かったって思うわけ。

 とりあえず約束の5分前くらいに到着して、目的の女の子を探す。

 退社時間なのか人が多い。多すぎる。

 でも、それっぽいのは2人だけ。どっちだろ。

 こういう時、間違えてもヘヘヘで済ませられる人になりたい。

 無理だ、LINE鳴らそ。

『もう着いてる?』

 反応を見る。

 黄色いカーディガンの女の子がスマホを見た。

 不審者みたくならないように前から近づくよ。

 ファーストインプレッション大事。

 私が出来る最高の笑みで話し掛ける。

「ハルナさん?」


 やはり18時は早かった。

 人だらけのサンマルクでお茶を濁すことになった。

 私はベトナムコーヒーとクロワッサン。

 ハルナちゃんはアイスコーヒー。

 クロワッサン半分食べる?

「てっきり、ブロックされてんのかと思いました」

「暇になったから連絡したんです」

「いやーありがとうございますー」

 こういうので会う女の子は大体すぐブロックするのだ。

 まあ、分からんでもないよね。

「歳いくつなんですか?」

「21です」

「うちも21です」

 タメじゃん。

「私、学生なんだけど学生さん?」

「いや、歯科助手」

 あーそれっぽい。

「いいなあ、社会人」

 ハルナちゃんは大きい。

 背とか肩幅とかおっぱいとか腕とか。

 強そう。

 顔はサクラさんほどじゃないけど可愛い。

 小学生ぐらいの頃に好きだった女の子に似てるなあ。

 別人だよ。

 運命の再開とかそういうのじゃない。

「晩御飯の時間には早いね」

「人も多いね」

「ここらへんの学生ってどこ高かわかる?」

「んーわかんない」

「そっかあ」

「こういうので会うのって初めて?」

「3回目くらい?」

「あー私もそれくらい」

 ほんとは8回目。

 でも3ヶ月くらいやってないから溜まってはいる。

「うちも彼氏が遠くて寂しいんだよ」

「あ、彼氏いるのね……」

 やだなあ。

 これ飯食って解散パターンかな。

「ってことは3回ともやったの?」

「ちょっ!?……1回だけしかないよ」

 人前で下ネタは言わない人なんだな。

 ふーん。

 ちゅごごご。

「晩御飯どこで食べる?」

「うーん、辛くなけりゃなんでもいいよ。あと麺類も昨日食べたから嫌かなあ」

 昨日は天そば。鱈の目の天ぷらが美味かった。

「じゃあ洋食屋とかどう?」

「それいいねえ」

 ちなみにここらへんは洋食屋が八軒くらいあるのだ。

 でも行ったことない。

 家から遠いし、独りじゃ入りづらい。

 ちゅごごご。

 外はまだ明るい。

「男はこのこと知ってるの?」

「知らないよ」

「だよねえ」

「彼氏はいないの?」

「いないね、できたことない」

 私まぢブサイク。

 ほんとのブス馬鹿にしてんのか。

 あー腹減った。

「そろそろいこっか?」

「うん、あ、トイレいってきていい?」

「どうぞどうぞ」

 バックレられないように気を配る。

 別に損するわけじゃないけど、されるとへこむ。

 気を紛らわせるためにLINEを開く。

 今日は珍しくサクラさんから着ていない。

『出逢いなう』

 ふいー。

 へーサンマルクって禁煙じゃないんだ。

「お待たせー」

「おかえりー」

 ハルナちゃんが帰ってきた。


 洋食屋に行くぞ。

 サンマルクを出て、2人人混みをかき分け進む。

 平日なのになんでこんなに人多いの。夕方だもん。

 2分くらい歩いたところに洋食屋があった。

 狭い階段を昇り、ドアを開ける。

「はえー、スッゴい大きい……」

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