プロローグ 「ホールミーツワールド」
こんなものを書いてみたかった。
誤字脱字、アドバイス等があったらお願いします。
突如、空に黒々とした穴が開いた。
国会議事堂の真上に広がり、怪しげな光を漏れ出していた。
それを見た人々は、UMAだの、ブラックホールだの、他国の新兵器だのと騒いでいて。皆が、スマートフォンやカメラが付いたゲーム機などで写真、動画を取る。SNSのタイムラインに溢れかえる謎の黒穴。
その中には、穴から落ちてくる、『何か』が写ったものもあった。
それらは、ネットの住人達により速やかに分析され、拡散される。
穴から出てくる人影。写真を見る限りでは『落ちている』とも言えるとか、動画と合わせる事で、『出てくる』としか言い様が無いとか、全部コラージュだ、などとネット上で論争になっていた。
その内に、今度はその『何か』が空中の同じ場所に居る写真が出回る。
後に、動画を撮っていた友人に聞いたのだが、それは空中で静止したそうだ。
その何かが両手を空に掲げた、写真。
それが共有された時、写真を見れた者は恐らく、ごく少数であっただろう。
オマケに、確認はしていないものの、死人が出たかもしれないらしい。
死因は、恐らく圧死だとか。
何故そんな事になってしまったのか。
それは、
人類が「縮んでしまった」からだった。
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小さくなった人類は、戸惑いと悲しみを胸に、穴から降りてくる、巨大な城を呆けた顔で見上げていた。
城の下敷きとなり、崩壊する議事堂。
議事堂だった瓦礫の山が、暗く光った瞬間、更に細かく不自然に砕ける。
その小さな破片達が、人を模した様な形にくっつき、ぎこちないといった様子で一歩を踏み出してゆく。
暫くした後、先頭の一体が、騒いでいた人々のところまで到達していた。
放心状態で眺める人間を、石の巨人は。
鋭利な腕の先で、腹を貫いた。
その瞬間、突如スイッチが入った様に、人々は逃げ始める。
足がもつれて倒れようものならば、腕で、足で押し潰されてゆく。
世界が変わった――変わったと人々が認識した、瞬間だった。
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そんな中、喜びを感じていた少年がいた。
瓦礫を怪物とさせた波動は、意外な物にも作用していたのだ。
少年の前には、同じく人型をしており、プラスチックで出来た巨人。
それは今や、異様な質感を持っていて。
操られるのを待っているように佇んでいたのだった。