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新旧海賊映画

 来月(2017年七月)「パイレーツ・カリビアン」の新作が上映されるそうだ。

 ほー、第五作ですか。ジョニー・デップもお仕事大変ですなあ!

 まあ「パイレーツ~」シリーズはぼくは好きなので、一応、楽しみとしとこう。

「パイレーツ~」シリーズは、かつて盛んだった「海賊」映画というジャンルを復活させた意義がある。もっともヒットした海賊映画と言えば「パイレーツ~」以外、思い浮かばないけど。

 以前、といっても数十年前、海賊映画というジャンルは、いろんな俳優が出演する人気のジャンルだった。映画がモノクロだったころから、カラーになり、シネマスコープになってからも、二十世紀の中ごろまで、いろんな海賊映画が公開された。中にはミュージカル映画、なんてものもあった。

 で、昔の海賊映画と、ジョニー・デップの「パイレーツ~」を見比べてみると、海賊というキャラクターの描き方がかなり変化しているのに気づく。

 昔の海賊映画って、観たことある人、いる?

 今、昔の映画がDVDになっているでしょう。要するにパブリック・ドメインってやつで、昔の名作映画が、五百円くらいの廉価で販売されている。

 ぼくの手許には「海の征服者」と「真紅の盗賊」という二本のDVDがある。どちらも六十年前、七十年前の映画だ。前者は1947年、後者は1952年というからぼくだけでなく、この小文を読んでいるほとんどの人が生まれていない頃の話だ。

 もしかして「ああ、その映画見たことあるよ」という猛者がいたりする?

 是非、お話をお伺いしたいなあ!


 で、このふたつの映画と、「パイレーツ~」シリーズを見比べると、いやいや海賊像ってのもずいぶん様変わりしたんだなあ、と確認できる。

「海の征服者」では、主人公は海賊の船長なんだけど、登場するヒロインをいきなり殴ったりする!

 しかもこのヒロイン、殴った男を好きになったりするんだ。

 今じゃ考えられない描写だよなあ。


 ところで先日「パイレーツ~」の一作目が地上波で公開されたでしょ。

 ああ、またやるんだなあ……と、ボーっと観ていたんだが、途中「ハッ!」と気づいた。

 ストーリーが進んで、映画の半分くらいでジョニー・デップが海賊島へ行く場面がある。その海賊島では、海賊たちが酒池肉林の大騒ぎを繰り広げるんだけど、その場面が「海の征服者」そっくりなんだ。

 意識したのかねえ? スタッフは海賊映画というジャンルを復活させる意図があったから、参考にしたのかもしれない。


 次の「真紅の盗賊」では少し、描写が変わる。

 荒々しい主人公と、勝気なヒロインというキャラは同じだが、こっちの海賊はちょっとだけ現代的だ。女たらしという性格は従来通りだが、女性を力づくでものにする、なんて失礼なことはしない。ジョークを飛ばし、スマートな盗みを信条としてここら辺は「ルパン」的である。

 それでここだけの話だけど、この映画の途中、見逃せない場面がある。

 主人公とその手下、科学者の三人がボートに乗せられ、鎖で繋がれている。

 海賊の処刑方法で、ボートに鎖で縛り付け、海に流すのだ。いずれ喉の渇きで乾き死にするという残酷な処刑方だ。その処刑方から逃れる方法が興味深い。

 一緒に処刑された科学者がいきなりボートを引っくり返す!

 するとボートの底が上下さかさまになり、底に空気が溜まる。主人公はその空気を吸って、海底を進んで浅瀬から砂浜へ辿り着く。

 この場面、かの宮崎駿監督の初監督作品「未来少年コナン」にそっくりな場面があった!

 もしかして宮崎監督、この映画を若いころ目にして「コナン」に使った?

 うーん、考えれば考えるほど、ニヤニヤしてしまいますねえ!

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