少し不埒な考察(その2)
前回「ドラえもん」について考察したんだが、あれからちょっと思いついたことがあったので書くことにする。
ドラえもんが社会的な話題にならないのはなぜか、という疑問に僕はドラえもんが周囲の人々の記憶を操作しているのではないか、という解決案を提示した。
が、もう一つの解釈がある。
「ミス・ペレグリンと奇妙な子供たち」という映画を知っているだろうか?
監督はティム・バートン。
題名にあるミス・ペレグリンという女性は、不思議な力を持ち、設定した地域の時間を繰り返すことが出来る超能力を使える。
「奇妙な子供たち」とはペレグリンが保護している子供たちで、世間的にはみ出す超能力を持つがゆえに差別され、虐待を受けている子供たちだ。ペレグリンはそんな子供たちを見つけ、保護する任務を持っている。
ペレグリンは保護した子供たちと、繰り返す時間の中で暮らしている。そこでは毎日が同じ日で、暮らしている子供たちは永遠に成長せず、時を止めている。
まるで「ピーターパン」のネバーランドみたいじゃないか。
それでドラえもんだ。
ドラえもんでよく言われるのだが、のび太はいつになったら小学生を卒業するのか、ということだ。あのマンガの中では、のび太はいつまでも小学生で、いつまでも大人にならない。
まあ、マンガのだからしょうがない、という意見があるがちょっと待て!
ドラえもんのマンガではタイムパトロールが登場するよな。確か「のび太と恐竜」という長編アニメで登場するはずだ。
そんなタイムパトロール存在するのに「のび太の未来を変えるためやってきた」と堂々と宣言してドラえもんがタイムマシンで過去へやってくるんだぞ。つまりは歴史の改変だ。
ドラえもんが次々と出す秘密道具ひとつだって、歴史を変えるのは簡単だろう。たとえばタケコプターひとつでも、あの動力源を解明すれば革命的な乗り物が完成するに違いない。
タイムパトロールは何も言わないのだろうか?
ドラえもんはタイムマシンでやってきた。
現にタイムマシンは、のび太の勉強机の引き出しと直結している。
もしもドラえもんのタイムマシンが故障していたとしたら?
本当はちゃんとした製品でなく、中古品かなにかで、性能は完全ではなかったとしたら。
のび太の時代に到着したが、時間流の制御が完全ではなくのび太の暮らす地域を還流する時間の中に閉じ込めてしまったのではないか?
つまり一年間が何度も繰り返しているのだ。
だからのび太はいつまでたっても小学生だし、ドラえもんがいくつも秘密道具を持ち出して問題を解決してものび太は教訓を生かせず、同じ失敗を繰り返す。
なんてね……。
ところでこの雑文のタイトルの意味、分かったかな?
少し(S)不埒(F)ってことです。




