あなたのお名前、何ですか?
ぼくは名前が気になる。
日本人でも、外国人でも、テレビや小説、マンガ、アニメなどでの登場人物の名前、俳優、女優の名前。全部気になる。
というのは、自分で小説を書くとき、キャラクターの名前をどう付けるか、すごく悩むからだ。
もちろん、格好良く、そして印象深い名前がベストだ。主役は主役らしく、敵役は敵役らしく、ヒロインも脇役も、チョイと一場面しか登場しないキャラの名前もどうするか、悩んで悩んで、結局筆が進まなくなったりすることはしょっちゅうだ。
思いついた名前は、なるべく検索することにしている。
格好いい、印象深い名前ほど、従来の作品に登場している可能性が高いからだ。
また平凡な名前にするときも、検索することにしている。
本名が同じ人が存在する場合、公開した時抗議がくるかもしれない。
考えすぎだって?
いやいや、やっといてマイナスにはなりませんって!
検索して思いもかけない結果が出ることがあるし、この名前にこんな由来があったんだ、なんて発見することがあれば、次の作品にいかせるじゃないか。
さらには「メルルーサの悲劇」を回避できる。
メルルーサって何か知っているか?
言葉の響きから、ちょっと格好いいファンタジー系のキャラの名前と思った人いる?
じつはタラ目の魚の名前だ。以前はマクドナルドのフィレオフィッシュの具として使われていた。
このメルルーサという名前を、自作の小説のキャラの名前に付けた人がいた。以前、栗本薫が主宰した「小説道場」という「ジュネ」という雑誌のコーナーで、小説の投稿を受け付けていた。ジュネという小説誌、要するにBL小説を載せていた雑誌で、当然投稿する小説は美青年、美少年ばかりが登場する小説だった。そんな小説のキャラに、タラ目の魚の名前をつけてしまった人がいたのだ。
選考委員の栗本薫は「メルルーサというのは魚の名前だぞ!」と手ひどく講評をしていたが、この名前を思いついた時点で辞書に当たる手間をかけければ避けられる悲劇だった。
このコラムを読んでいる人の中にも、小説を書いている最中の人もいるだろう。
あなたは自作のキャラに、どんな名前を付けますか?




