水辺のサル
今回は「奇説」「トンデモ説」を紹介したい。
タイトルの「水辺のサル」でピンと来た人はいるだろうか?
人類は水辺で進化した、という説だ。
これは「水生人類進化説」または「人類アクア説」と呼ばれている。
ヒトは霊長類の仲間だが、他の霊長類と大きな違いがいくつかある。その謎に水生人類進化説は答えているが、本流の人類学からは黙殺、あるいは邪説扱いされている。
まずはそのなぞについて述べよう。
1;なぜ人類だけが直立二足歩行に適応したのか?
霊長類で直立二足歩行をするのは人類だけだ。チンパンジーやゴリラは時々二足歩行するが、ひざは曲がって、人類のように真っ直ぐに足が伸びて歩くことはできない。また人類は長い距離を二足歩行できるが、他の霊長類には不可能だ。
2:なぜ人類の体毛は退化したのか。
人類の体毛は、頭髪と陰部をのぞき、ほとんど退化している。産毛ていどほどしか、体毛は残らず人類と同じように体毛が退化しているのはカバ、イルカ、クジラなどの水棲に適応した哺乳類だけだ。また象も体毛が退化しているが、進化の過程で水棲に移行した時期があることが判っている。
3:皮下脂肪の厚さ。
人類の皮下脂肪は、全身で蓄積する。また新生児もたっぷりとした皮下脂肪を蓄えた状態で産まれてくる。ほかの霊長類の新生児は、人類のようにまるまると太った状態で産まれてはこない。
以上が主な論点だ。
ほかに涙腺がある、言葉でのコミュニケーションの起源などがあるが、上記三つの論点がもっとも際立っている。
まず二足歩行だが、ヒトの下肢のひざの関節は直立状態に適応していて、長時間立ち続けられる。
これはヒトの祖先が水辺、または水中で生活していて、頭部だけが水面に出ている状態で直立した生活に適応したから、とされている。
水中生活に適応した哺乳類のカバやイルカ、クジラなどは水中での行動のため体毛を退化させた方が抵抗がすくなく動ける。また皮下脂肪を蓄えることにより浮力がまし、これも水中での行動をたすける。厚い皮下脂肪は体温の保温に役立ち、体毛がある状態より生存に適している。
頭髪が残ったのは水面で生活するうえで、直射日光から頭部を守るためである。また長い頭髪は体格を大きく見せ外敵から身を守る。
これらの説はエレイン・モーガンというジャーナリストにより広く紹介された。
説を紹介したのがジャーナリストというところが、人類学の専門家から黙殺された理由だという。
でもこの説、中々魅力的なんだよなあ。
いつかこの説をつかって何か作品を書いてみたいもんだな。
もう、誰か小説に書いた?




