スター・シップ・ウォーズ・トルーパー
さて今回はポール・バーホーベンだぞ!
何といってもバーホーベンといったら「ロボコップ」!
でもこの人の出世作は「Uボート」だ。この作品でハリウッドに招かれたという。でもぼくは未見なので詳しくは述べられない。
とにかくこの人の映画は悪意に満ち満ちている。
「ロボコップ」も「スター・シップ・トルーパーズ」も、悪意が映画の基調をなしている。
もしこの人がスター・ウォーズ映画を撮ったらどうなるか?
まず最初は帝国軍のプロパガンダ映像で始まるな。
「帝国はあなたの生活を保障します! 帝国を守るため、帝国軍に入隊しましょう!」
なんて内容の映像が流れるんだろうな。
時代は帝国が勃興する、エピソード3から4の間。
ちょっと休題。
あのさ、スター・ウォーズで帝国が勃興して、滅びるまでどのくらいの期間だと思う?
二代目デス・スターが破壊され銀河皇帝が滅びるまでわずか二十年あまりしかない。なにしろエピソード3の最後でルークとレイアが生まれ、ルークがジェダイとなって、皇帝を倒すまでのストーリーがエピソード4から6だから。どう考えても三十年もたっていないだろう。
考えてみれば「たったそれだけ?」と思ってしまう。
ローマ帝国だって厳密に帝政があったのをシーザーの皇帝就任(実際には皇帝になっていないが)から東ローマ帝国がほろびるまで千年以上ある。
それなのに銀河帝国はたった三十年だぜ!
一世代もやっとだ。
いかに銀河皇帝たったひとりの帝国か、判るというものだ。
本題に戻ると、ストーリーは帝国軍に入隊した主人公が、宇宙戦艦に配属されるところから始まる。
この宇宙戦艦、戦艦というよりは潜水艦のような狭くて、ボロい最悪の環境。中古の宇宙船を改造し、無理やり戦艦として就役されたものだ。この宇宙船で主人公は反乱軍掃討の軍役につく。
狭くて居住環境最悪の息苦しい映像がえんえんと流れる。
戦う仲間はみな帝国への忠誠などひとかけらもなく、ただただ自分一人が助かればいい、というやつらばかり。もちろん女優なんてこの映画では登場しない。
物語は主人公が徐々に絶望に陥り、戦闘によりボロボロになっていく悲惨な過程を描いていく。
うーむ、いくらスター・ウォーズ映画とはいえ、こんなの観たくないよなあ。
次回は押井守で考えてみるけど、押井監督も同じように、肉踊り血沸く、なんてストーリーの監督じゃあないよなあ。




