声優新時代?
アニメや、外国映画の吹き替えを観賞していると、つい声優が気になってしまう。
いや、それほど声優の名前を知っているわけじゃないけど、気になるのは、声の〝キャラ〟だ。
たとえばラジオ・ドラマなどでは、演じている出演者の姿かたちは見えないから、聴取者は声だけで登場人物の姿を想像するしかない。男女の別、年齢、性格、体形などを、声だけで判断する必要がある。その点、映画だったら、登場人物の姿が目に入るから、想像の必要はない。
当たり前でしょ?
でも、時々、このキャラにこの〝声〟って、合ってるかあ? と思うようなキャスティングに出会う。
やっぱり登場人物の姿かたち、性格に合った声でないと、ノレないよな。
最近、思うのは、ぴったりの「デブ声」に出会ってないなあ、ということだ。
以前デブキャラには、滝口順平(お仕置きダベ~byヤッターマン)が全部引き受けていた時期があった。彼が死んだとき、声優の野沢雅子(オラ悟空!)が「あの人は口跡が良かった」と証言していた。
太ったキャラを演じていたにかかわらず、発声が正確で、聞き取りやすかった。
つい太ったキャラには、声の低い、こもった感じの発音をあてやすいのだが、滝口順平はどちらかというと高い声で、早口でも聞き取りやすい声優だった。
今、声だけでデブだと感じるのは、渡辺徹がいる。
でも、あまり声優の活動はしていないみたいだ。
で、近頃意外なタレントが、デブ声だということ発見した。
それは勝俣州和だ。
でも変換しづらい名前だよな。「くにかず」で一発で候補に出てこない。この名前を出すために、わざわざ検索してコピペしちまったぜ。
ぼくが見たのは「長靴をはいた猫」というアニメだ。いや、東映アニメのじゃなくて、アメリカのCGアニメのだよ。こんなことわざわざ説明すると、年がばれるな。
あの映画でハンプティ・ダンプティを勝俣が演じている。
最初、誰がアフレコしているのか、判らなかった。
映画が終わって、スタッフ・キャストなどを見て、初めて知った。
どことなく「男はつらいよ、フーテンの寅さん」に出演していた太宰久雄っぽい声だなあ、と思っていた。
あのう太宰久雄とは、たこ社長のことです。一度は観たことあるでしょ?
甲高いのに、かすれたような絶妙の声で、まんまるのハンプティ・ダンプティにぴったりだなあ、と思った。意外と声優の適性があるんだな、と発見した作品でした。
でも竹中直人もちょくちょく、いろんな映画でアフレコしているけど、あまりうまいとは思わない。
とにかく声がこもって、聞き取りにくいんだ。
自分が演じていれば、顔の表情などでカバーできるんだろうが、他人の演技に声だけアフレコすると、本質的な演技力の不足が露呈する。
ぼくが思うに、竹中直人って、そう演技がうまい人ではない。
あれは顔芸のひとつだ、と思う。
違う?




