マスクの未来
やれやれ、やっと緊急事態宣言解除か……。
と、思ったけど事態が落ち着くまで、まだまだ時間が掛かりそうだな。
町に出ると、マスク、マスク、マスク……。
もう、マスクをしているのが当たり前になっているな。
このマスク、もう、していないほうがエチケット違反になりそうな感じ。
ぼくもファミレスに入るときは、マスクしなきゃな、と反射的に考えるようになった。もう、マスクなしの生活なんて考えられなくなった。
となると、これからずっと、我々はマスクをしているのが当たり前の生活が待っているということか。
ぼくらはいいんだが、乳幼児を預かる保育所では、問題が出ているそうだ。
なぜなら、物心つく前の乳幼児にとって、人の顔と言うのは全体で認識していて、マスクをして眼だけのぞいている顔は、人の顔と認識しづらいらしい。そうなると感情の発達にも障害が出る可能性があるそうだ。
それで保育所の人たちは、マスクではなく透明なフェイスシールドで対応している。そんな映像をテレビで見たぞ。
うーん、もしこの状態がずっと続くと、いや、十年、二十年、もしくは百年単位で続くと仮定するといろいろ考えが湧いて来るな。
まずマスクしているのが普通の顔ということになると、テレビで活躍するタレントとか、アナウンサーもマスクをしているのが通常となる。
もしかするとマスクをしていないと恥ずかしい、なんて感情が浮かぶかもしれない。
「あなたのマスク、外してください」というお願いが、ものすごくセクシーな意味を持ったりして。
無理やりマスクをはがす行為が痴漢行為と同義語になるかも。
しかし眼だけではどうも、という向きには、マスクに口を描くサービスが出てきたり。
女性が化粧のため口紅をさすのと同じく、マスクに口の形をルージュで描いたりするのかな。
そのうち、透明な繊維が開発されて、マスクの機能を果たしながらも、完全に透明なマスクが開発されるかもしれない。
しかし人の不安は、マスクだけでは物足りなく感じるようになるかも。
やがて顔全体を完全に覆う、ヘルメットタイプのマスクが売り出される。
色も様々なバリエーションが用意されて……。
ブラックタイプのヘルメットを被り、呼吸を助けるための装置が装着されて……。
それって、ダースベーダーじゃん!




