マツダ自動車はEVの夢を見るか?
自宅前には、数軒の建売住宅が並んでいる。その車庫には、自家用車が収まっているのが見える。
トヨタ、ニッサン、本田……そして一台だけマツダ車が停まっている。
マツダといえば、ジーゼルだ。
以前マツダはロータリーエンジンが、その代名詞だった。だが、ご存知の通り、燃費の悪さからロータリー車は敬遠されるようになり、マツダは起死回生としてジーゼルにシフトした。
今のところ、それは成功しているように思える。街中でも、マツダ車は見かけるし、軽油の安さで、支持されているようだ。
しかし菅政権が発足していきなり「将来的にすべての自動車の駆動方式を電気駆動にする!」という宣言が出された。
いや、本気かね?
まあ、出来るかできないかはともかく、もしも日本の自動車が電気自動車に置き換わったとしたら、として考えてみよう。
まず必要なのは電力の確保だ。今の発電能力では、とてもじゃないが足りない。
そうなると必然的に原発だ。
現在のところ、CO2を出さずに、膨大な電力を産み出せるのは原発しか選択肢はない。
自然エネルギー?
いやいや、風力や太陽発電じゃ、とても足りない。第一、自然エネルギーってやつは電力会社にとっては「汚い電気」なのだそうだ。
自然エネルギーがどうして「汚い」のか?
電力と言うのは、一定の発電量が、自然現象に関係なく供給されるのが望ましい。その点、自然エネルギーは不安定だ。なにしろ風や、日光や、波を利用するのだから、その日によって発電量が上下する。それが電力会社にとっては「汚い」と受け取られるのだ。
しかし原発は違う。
一旦駆動すれば、その日の天候に関係なく、同じ電力、電圧の電気が流れることは期待できる。
だから電力会社にとっては原発は「綺麗な」電気なのだそうだ。
あと自然エネルギーで期待できそうなのは、地熱発電である。
日本は火山大国だから、温泉地は各地にある。その温泉の熱源を利用すればいいのだが、温泉地の住民は、もし温泉が出なくなったらという心配で、発電所の建設に乗り気ではないそうだ。
火力発電はどうか?
日本の近海にはメタンハイドレートという、全世界が何百年使ってもあまるほどのメタンが眠っているそうだ。これを効率的に、つまり経済的に採掘できれば、火力発電所の燃料として活用できる。
そうだが、今のところ前途多難らしい。
こりゃ、どう考えても無理だわ!
いや、ちょっと待て!
政府は将来的に「内燃機関」を廃止する、と宣言してるんだよな?
じゃあ、外燃機関はどうだ?
あるぞあるぞ!
外燃機関として分類されているが、実は優秀なエンジンが。
それはスターリングエンジンである。
日本の潜水艦に採用されたあのエンジンである。
マツダはもしかしたら、次の一手にそれを考えるかも?




