三つの願い
you tubeを見ていたら、アラジンと魔法のランプの物語を解説していた。
オリジナルのストーリー、ディズニーのアラジンとはまるで別物といってよく、こんな話だったのかとちょっと驚いたけど、面白かったぞ。
それにしても昔から超自然の存在に、願い事をするという話はいろいろあるよね。
有名なのは悪魔との取引で、魂と引き換えに三つの願いをするというパターンだ。
この悪魔との取引で、魂を引き換えに、という条件は、作家の想像力を刺激するらしく、短編の特異な作家がいろいろ作品を書いている。
日本では星新一が書いていて、ある登場人物が「悪魔の専門家となる知識を授けてくれ」と願って悪魔の罠を回避するという新手をひねりだしていた。
さすがショートショートの神様、うまいね!
あっ、これ、ネタバレじゃないからね。
この悪魔の専門家は、悪魔を呼び出す仕事で金を稼ぎ、そのかれにある老人が悪魔と取引をしたいと言い出す。その老人の願いとは何か?
まあ、これは作品を読めばいいんだが、ちょっと驚く展開だ。
悪魔じゃないが、ランプの精に願いをする、というパターンもいろいろある。
映像作品ではアメリカのトワイライト・ゾーンの一編にそんなのがある。
首尾よくランプの精を呼び出した主人公、ただしランプの精からは「願いは一つだけ」と条件をだされてしまう。
たった一つの願い、どんなことを願えばいいのか。
理想的な恋人?
世界を握る権力?
とほうもない金持ち?
それぞれ主人公は結末を想像するのだが、どれも悲惨な結論しかでない。
それで主人公が選んだ願いというのは……まあ、これはネタバレしてもいいだろう。
いやなひとは飛ばして読んで!
なんとこの主人公、自分をランプの精にしてくれと、願うのだ。
これもあっと驚く結末だね。
さて、それじゃぼくはどんな願いをすればいいんだろう。
この場合、映画のアラジンと同じく「死者の蘇り」「願いの増幅」はダメ、という条件を付けよう。
さらに願いはたった一つだけ。
このたったひとつの願いをどう使うか?
ぼくの結論は「ドラえもんの道具を出してくれ」って願うな。
その中でぼくが欲しいのは「もしもボックス」だ。
これは無数のパラレル・ワールドを選択できるという道具で、「もしも~だったら」と願えば、その願いを現実化してくれる。これなら無限の願いもクリアできるし、ぼくの理想的な世界が待っている。
ぼくの考える理想的な世界ってなんだか判るかな?
そりゃ、もちろん、ぼくの作品がヒットしてプロの作家になれる世界だ。
あーあ、そんなことくらいしか、願えないんだよなあ……。




