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アウトサイダー・アーティストの話

 グーテンベルクさん、あんたは偉いっ!

 まさかあの書物が、電子化されているなんて思ってもいなかったよ。

 いやいや、グーテンベルク21という出版サイトでは、過去の絶版本などを電子化しているのは知っていたが、まさか「終末期の赤い地球」があるとは知らなかった。

 作者はジャック・ヴァンスで、この人の小説は好きで古本屋で探し回ったものだ。しかし「終末期~」は、高すぎて買うのをあきらめていた。なにしろ中古市場では、かるく数万円はするものな。しかしまさかの電子書籍で、たった数百円で購入できる。

 やっほーい! 今まで信じられないプレミア価格をつけていた古本屋、ざまあみろってんだ!


 というのは話のマクラで、これからが本題。

 先日you tubeでマインクラフトのユーザーが作成した動画を見てた。

 うひゃあ、噂には聞いていたが、すっごいなあ!

 本当に、ひとつの町を作り上げている。なんでも四年間、コツコツ作り上げていたらしい。

 商店街、聖堂、鉱山町など、ヨーロッパのどこかでありそうな町がそこにはあった。

 ただただ感心して見ていたんだが、ふと、ある人物の名前が頭に浮かんだ。

 それはヘンリー・ダーガーという人物のことだ。


 この人は1892年にアメリカに生まれ1973年に死亡している。生涯独身で、掃除人として僅かな収入を得て暮らした。

 ヘンリー・ダーガーが特別だったのは、ほぼ半世紀にわたって世界一長い小説を書き続けたことによる。そのタイトルとは「非現実の王国」というもので、その小説のイラストもぼうだいな数に上る。内容は……詳しくはWikipediaなどで調べてくれ。

 このヘンリー・ダーガーのほか、正規の美術訓練をえない芸術家を「アウトサイダー・アーティスト」と呼ぶ。

 なぜそれがマイクラと繋がるかというと、なんとなく共通するものを感じるからだ。

 もしもヘンリー・ダーガーが今に生きていれば、きっとマイクラに夢中になるか、それとも「なろう作家」になっているんじゃないか、と思ったからだ。

 つまり、ぼくをふくめて、この小説家になろうに投稿している人間は、みなアウトサイダー・アーティスト仲間ってことだ。

 ヘンリー・ダーガーは生きている間評価されなかったが、死後、発見者がいて、いまでは美術史の一部に組み込まれている。

 だったらぼくの小説も……。

 もしそうだとしても、やっぱり生きている間に評価されたいよ!

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