指輪物語とロード・オブ・ザ・リング
この稿を読んでいるあなたは、繰り返し読む本というのはあるだろうか?
たいていは一回読んで終わりだろうが、何度も、年に一度は繰り返し読む本はありますか?
ぼくの場合はアシモフの「銀河帝国の興亡」三部作、それに前回とりあげた「まんが道」は年に一度くらい、繰り返し読んでいる。だからところどころ文章を暗記しているところもあって、読み返すたびに「なんでこう、何度も再読したくなるんだろうなあ……」と思いながら読んでいる。
ところがこういった再読をしなくなった本もある。
それがタイトルの「指輪物語」だ。
結構、何度も読んでいたのだがご存知の通り「ロード・オブ・ザ・リング」というシリーズが映画化され、手軽にDVDを手に入れられることで、読み返すこともまれになった。
なにしろDVDなら読む手間がないもんね!
でも劇場版でさえ三時間近く、エクステンデッド・エディションだと一作あたり、四時間近くの長さだ。
この前、やっとのことで「ホビット」三部作、「ロード・オブ・ザ・リング」三部作を二週間近くかけて観とおした。
そりゃ一遍に見ることなんて、できないよなあ!
で、改めて鑑賞して、やっぱりネーミングの魔法ってのはあるんだなあ、と再認識。
原作者のJ・R・R・トールキンはもともと言語学者だけに、ケルト語などの知識を駆使した様々な地名や、種族の名前が世界観をささえている。
と、ここまでは普通の感想。
ここからはちょっとアブナイ感想を述べたいと思う。
「指輪物語」の世界では、普通にジャガイモや、タバコが存在するらしい。
登場人物が時折、パイプを口にくわえ、幸せそうな表情で煙草をくゆらせる姿が散見される。
今どき、こんなに煙草をうまそうに喫う描写をする映画、他にないよ。
「ホビット」の「思いがけない冒険」で茶色の魔法使いラダガストに、ガンダルフがパイプを勧める場面がある。ラダガストはパイプを思い切り吸い込み、一息つく。
そして「指輪物語」でも、ピピンとメリーという二人組のホビットが、パイプタバコを見つけて狂喜する場面がある。
これがどう見ても、あの……いや、間違ったらごめんよ、そのお、大麻を楽しんでいるようにしか見えないんだ。
お疑いなら、一度あなたも観てごらん!




