幸運と不運
あなたは運がいいほうか、それとも運がないと嘆くほうか?
そんなことを考えさせられる映画が「ピュア・ラック」だ!
主演はマーティン・ショート。
ストーリーは、マーティン・ショート演じるプロクターが勤める大会社の令嬢ヴァレリーが、南米旅行中、行方不明になってしまう。当然、父親の社長は八方手を尽くして捜索するが、行方は判らない。
そんな時、会社の相談役があるアイディアを思いつく。
このヴァレリーというお嬢様、とにかく生まれてからというもの、不運続き。
悪運は英語で「ハード・ラック」という。が、「ハード・ラック・ウーマン」となると、男運が悪い女、という意味になる。つまりヒモ男ばっかりに引っかかる、ダメ女という意味になる。
この会社に勤めるプロクターも同じように不運続き。
なにしろ産まれてから三回、落雷にあって、しかも一回は映画館の中という。
このプロクターを捜索の責任者にして、南米へ向かわせる。
同じような不運をかかえたプロクターなら、ヴァレリーと同じようなコースを選ぶのではないか?
捜索の相棒となるのが、ダニー・グローバー演じるカンパネラ。
余計なことだが、カンパネラとは「銀河鉄道の夜」の登場人物の名前で、ぼくはこの映画を観て「ああ、この名前って普通にあるんだ」と思ったもんだ。
ダニー・グローバーという役者、代表作は「リーサル・ウエポン」で格好いい中年刑事を演じていたけど、この映画ではベテランの探偵を演じている。
この二人が、珍道中を繰り広げるバディ・ムービーとなっている。
エンディングはちょっと「あっ!」と驚くカットになって終わる。
映画の一場面で、主人公の不運を説明するカットがある。
相談役がプロクターが適任だと証明するのだが、社長の目の前で会議室の椅子の足をわざと折る。
何も知らないプロクターがやってきて、相談役が「まあ、座りなさい」と促す。
するとプロクターは、いくつもある椅子の中から、相談役が脚を折っておいた椅子を選び、座る。
当然、椅子の足はポキリと折れて、プロクターはひっくり返ってしまう。
訳が分からないまま、プロクターは引き下がる。
社長の問い掛けに、相談役はこう答える。
「お嬢様なら、どの椅子を選ぶと思いますか?」
残念なのだが、この映画、DVDになっていないんだよなあ。
VHSのみのリリースで、しかもコピー・プロテクトがかけられているから、DVDなどにダビングもできない。
是非、DVDにしてほしいものである。




