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生まれ変わったらハーレムでした  作者: PONKAN
始まり
5/12

精神統一



あの後、キューイからこの世界のことを聞いた。


私がやって来たこの世界は『マーテス』と呼ばれ、六つの大陸に別れているらしい。


各大陸の王族の名にはその大陸の守護精霊の名があり、(ダーギスト)(エルド)(シュトラウセ)(リールハルト)山羊アコリス、そして最後に(クワィトルツェ)


キューイは(クワィトルツェ)の唯一無二の王家の生き残りだというが....。


「何があった?戦争か?」


「はい...。戦争もありましたが、一番は“ヌーマの涙”と呼ばれる天変地異による被害が凄まじく、特にクワィトルツェはその被害が他の大陸よりも凌駕し、今やこのように植物が支配する国へと変わりました。」


「__……成る程、、、ん?じゃあ、この殺人植物が蔓延ってるここは、キューイの国だったのか?」


コクリ、。


「そっか...でも、どうして君だけはあんな場所に眠っていたんだい?罠に嵌められたとか?」


戦争を引っ掻き回し、世界を混沌へ突き落とした天変地異、“ヌーマの涙”。

クワィトルツェが滅びる前に、彼女は何かに巻き込まれてしまったのだろうか?


「あれは、、、あれは、何かあった時のために父が機密に作っておいた結界です。結界の中に入れば意識がある睡眠状態になり、外部からの如何なる干渉も受け付けません。」


あぁ....。

瞼を伏せても、あの光景だけは忘れない。


戦争が続き、追い打ちをかけるようにヌーマの涙がやって来たあの日はこの世の終わりを悟った。

大洪水で我らの大陸の半分は沈み、空から降ってくる雷は大地を引き裂き、巨大な嵐が次々と襲いかかってきた。


そんな中で、父は私だけを神殿に連れてきた。


「父上!?何故私だけ神殿に来る必要があるのですか?!私もこの国に仕える騎士です!

民がまだ逃げ切れておりません!父上!」


「すまない。キューイ、すまない。アレ(・・・)がやって来たということは、もう時間がないのだ。許して欲しい我が娘よ。どうか私達の分まで生き延びてくれ...!」


私を結界の中央に押し入れ、父は唱え始めた。


「何を?!、、、ッ!」


「娘よ...愛する娘よ....。お前は皆の最後の希望なのだ。だから...生きなさい。」


「ち...父上_______!!!」


手を必死に伸ばしたが、その手は何も掴めずに、意識だけが柔らかい水に呑まれて行った。

その水の中はとても優しかった。

しかし...何よりも残酷だった。


うわぁあ____!!!

た、助けてくれぇええ!!!

死にたくない!死にたくない!!!


悲痛な声が、助けを求める声が、鳴り止むことはなかった。

目を開けようにも瞼は重く閉ざし、身体は本人の意思に逆らい動こうともしなかった。


泣こうにも涙さえも出ず、防ぎようもない民達の声を、悔いに思いながら聞くしかできい己を恨んだ。


いつしか時は流れ、私の知っている時代は人々から忘れ去られて行った。


あの世界の終わりを乗り越え、新しき時代へと移り変わりしても、私は目覚めなかった。

もう、目覚めることは無いのかと絶望した。


だけど_____











「おーい?もしもしー?キューイー?キューイさ〜ん?大丈夫か〜?目を覚ませ〜!」


ペチペチと優しくキューイの頬を叩くが、キューイは目を伏せたまま一向に目を開けない。

重い話だと思うがすまん!

私の命は勇者が手に入れるから、本当に辛い思いばっかりでごめんな?!

絶対に勇者に合わせるから!...居たらね。


「あ、。」


「お、起きたか?!大丈夫?もしかして気分が悪いのか?熱は?!」


目を開けたキューイの額に急いで手を当てる。熱は.........うん。ないな。

でも、何だろう?段々上がってきてるよね?


「キューイ本当に大丈夫?ちょっと横になるか?」


「だ....大丈夫です!本当に大丈夫です!今ならマーヌの涙にも負けません!!!」


「それは異常だからな?!」


キューイは手を必死に上下に動かしている。

こうして見ると、本当に可愛いお嬢さんなんだけど、、、まぁ面白いから良いや。


「ありがとう。キューイにとっては辛い質問なんだね。話してくれて本当にありがとう。」


「い!_____いいぇ。」


優しく頭を撫でると、キューイは驚いたが、嫌な顔はしなかった。

きっと慣れてないんだね。ポロリ。

お父様大丈夫です。

この子は命を懸けて勇者の元に届けますんで!どうか見守っておいて下さい!

娘さんには死んでも手を出しませんから!

というか絶対に出せません!

見た目は男でも!

私はまだ!中身は女ですから〜!


「きっとこの国は再興出来る。キューイと言う希望が、今ここに居るんだから。だからキューイ。そんなに後ろを振り向かなくてもいいんじゃ無いか?君はこの先王女じゃなくて女王陛下に昇格されるかもしれないんだよ?」


笑いながらキューイをからかう。

本当にキューイが女王になったらどんな性格になってるんだろう?

ちょっと.........気になる。

今と変わってなかったら面白いんだけどなぁ。


「復興はしません。もう三百年以上も前の話ですから。それに、私は私はもう王女でもありません。貴方に全てを捧げたのですから女王になどなりません!」


「アハハ〜そっか〜。残念...残念?」


あれ?なんか最近私の耳おかしいな?

ちょっと呆けてきたか?使い物にならなくなってきたか?

この世界にまだ慣れてないとかか?!


「ごめん...キューイ。もう一度言ってくれないか?何年前だっけ?よく聞こえなかったよ。」


「?すいません。三百年以上も前...ですが?」


「___________。」



思ったよりも随分経ってらっしゃる...。

三百年以上も前...。

三百年...。

三百年...。

三百年...。


「あの、マスター?」

「ハッ!?しまった。カルチャーショックが大きすぎて、意識が三百年経過したかと思った...。あっぶねぇ〜。」

「だ、大丈夫ですか?」

「ウン!ちょっと予想外の年数で驚いてただけだから!」


まぁ、三百年も経てばこの国は植物に呑まれて当然だよな。

数年であんな殺人植物が蔓延ってた人間どうすることも出来んわな。

アホだな私。

ちょっとゲームから離れた方が良かった。

あんな植物が地球にいたらアマゾン終わる。

あの殺人植物によって全てが無に返す。

あいつ下手したら食物連鎖の頂点に立てるんじゃないか?

やっべぇー。あんな奴から逃げ切れて本当に良かった。


「あっはは!そ、そうだ!キューイ!この世界にも魔法って存在するのかなぁ〜?!」


「え、えぇ。存在しますよ?」


「...ソウカ。それは誰でも使えるのか?」


やばい。私のMPという名の精神が今にも崩れ落ちそう。

ここで、ハイ!誰でも使えます!ってにっこりされたら私死のう。

私魔法使えそうにない。絶対に。断言出来る。このミラー・クロックスにも謝るわ。

こっちにきてしまいごめんなさい...。


「いいえ。私の時代は誰でも使えたようですが、この時代はそうでもありません。」


「え?!そうなの?!良かった〜!私役立たずでもう一回死ぬところだった〜!ありがとうキューイ!君は私の天使だ!愛してる!」


「あ!?愛してる?!ま、ママママママスター?!」


「いやぁ〜。良かった良かった。私は死なない。うんうん。ん?どうしたキューイ?顔が赤いけど?熱でもある?」


「い........いいえ。お気になさらないでください。私はもっと勉強しなければと思いまして。」


「ん?でもキューイはそれ以上勉強する必要ないと思うんだけど?」


「いえ....。目の前の問題ですので。」


「そ...そっか。頑張れよ?」


なんか心なしかキューイ落ち込んでない?

美女の落ち込む姿を現実でみると、ちょっと引く。

なにがあったのキューイ?

そんなに辛い勉強なのか?

いかん。ここはキューイの為にも私の為にも話を戻さねば。


「あー、あー。キューイ?この時代の魔法ってどうやったら使えるのかなー?教えて欲しいなー?哀れな主に教えて欲しいなー?」


必殺!哀れな主に教えて下さい主ビーム!


シュッ!

「はい!誠心誠意教えて差し上げます!まず、魔法についてですが...。」


き、切り替えが光速を超えた...だと?

目に見えない早さで動いたよこの娘。

どう言う教育の仕方したんですかお父上様?

なんかノリノリだし?!

やっぱり騎士よりもこっちの方が良かったんじゃないんすか?!


「魔法の根源は精霊です。」

「精霊...?」


精霊と言えばゲームには必須の存在で、よくチュートリアルに出てきたな。

まさか、ここでも精霊の単語が出てくるとはひょっとしたら地球と似てたりしてな?


「はい。精霊は目に見えない万物とされ、自然や、長き年月を得た物に宿ると言われています。その自然に宿る精霊の力を借りて、始めて魔法が扱えます。」

「フム。でもそれだと簡単だよね?」


「いい質問ですマスター。そこがこの時代のポイントです!」

「おぉ....。」


キューイ...お前騎士じゃなくて教師が似合ってる。

もうこんな美女の教師いたら誰も反対しないわ。


「私の時代は魔力を持つものが多く、精霊も積極的に人間に力を貸してくれたので、そんなに魔法を使えない人は居なかったんですが、マーヌの涙が起きた後、魔力を持って産まれる子供が一気に減ってしまい、混乱が起きた模様なんです。」


「まぁ、なるな。ふつーになるわ。」


「そこで、各大陸が出した決断が、精霊の代弁者。つまり、神官です。」


「神官?」


あれか?ゲームで死んだら強制的に運ばれるあのアレか?

あ、アレ神父か。違った。

神父...神父か...。


「私たちがいる鳥大陸以外は神殿が設置されてます。」


「え〜!それってあれだろ?神殿に行って神官に頼んだら魔法使えます〜って言うアレだろ?」


「ん〜。2割位ならあってますよ。」


「...たったの2割...。ガクッ。」


目から虹が出そう。

心が痛い。

止めを刺すんなら刺してくれ。


「マーヌの涙の後、精霊も人に力を貸してくれなくなって、人間を嫌悪してるらしくそのせいも有って検査は厳しいですよ?」

「そうなの?」


「えぇ。神官になろうとしたらまずは精霊の声を聞かなければなりません。今の時代の精霊は捻くれて声もかけてくれません。なので神官とは、精霊、自然に気に入られた人間じゃないとなれないんです。」


「め..........面倒だね。」


「はい。しかし、面倒なのはここからです。」


キューイ様の講義まだ続くんかーい?!

精霊様どうしたの?!

マーヌの涙で何があったの?!

そんなに捻くれても君達は立派だよ?!

何てったて植物に殺されかけたんだからな!

もう懲り懲りだよ!


「魔法を扱うには魔力持ちであることが何よりも必須です!」


「その...さっきから出てきてる魔力持ちってなに?精霊の力を変換する力とでも思えばいい?」


「はい、その通りですマスター!流石私のマスターです!」

「はは、ありがと。」


やばいな。

キューイのキャラが変わってきてる。

ちょっと垣間見えたクールさが、どっか吹っ飛んだ。

なんか清々しく思えるよ...。

いっそこのキャラで行くか?

キューイ美人だし、きっといける。

うん。勇者も気に入るだろう....居たらな。


「マスター。魔力は器と思って下さい。」

「器?」


「器の大きさは産まれ持ったその人次第ですが、大きければ大きい程精霊は力を貸してくれます。しかし、そこで驕ってはいけません。魔法は自然の力。無理に魔法を使い続ければ、器は壊れ、砕けるでしょう。」


「そ、そうなったら死ぬのか?」


キューイは首を横に振る。

さっきまでの雰囲気はどこに行ったんだ?

ちょっと今の雰囲気怖い。


「そうなってしまったら__精霊になるでしょう。」

「精霊に?死ぬんじゃないんだ。」


「私としては、死ぬ方がまだマシだと思います。」

「____嘘ーん。」


死ぬほうがまだマシって、どんなんだよ?!

世にも恐ろしい拷問に一生かけられるとか?!

やだよそれ!?絶対にやだ!

魔法って怖い!

魔法撲滅!


「でも、休めば大丈夫ですから。魔法を使うのでしたら程々に、と言うことです。」

「私はそれでも魔法断固反対!絶対に嫌だ!」


怖い人は挙手しなさい!

今なら誰も見てませんから心配ご無用ですよ!私は絶対に魔法を許しませーん!

何だよ!魔法はもっとファンタジーに行こうよ?!

そこはゲーム見たいにして欲しかったぁあああ!


「フフフ。マスター?残念ならが話はまだ続きますよ?」

「魔法怖い魔法怖い魔法怖い魔法怖い。」


うえーん!キューイが(多分&一応)主である私を苛めるー!

勇者ー勇者ー!早く来てよー!

もう魔法怖いよー!

うわーん!


膝を抱えて怯える私をキューイは嬉しそうに笑ってるしさ。

ちぇ、夢見て何が悪いんだ!

ちょっとくらい夢を見せてくれても良かったのに、この世界は甘くないのな。

チョコレートかと思って食べたら、カカオ99%の苦さで出来てまーす詐欺だ。

あぁ......でも私は魔力は持ってない。

精霊の声も聞こえないし、死亡フラグは立たせんぞ。

代わりに違うフラグを立てていることに気づいていない。



「さて、話の続きですが、魔法を使うには魔力持ちであることともう一つ。条件があるんです。」

「じょ、条件も付いてんの?!面倒くさ?!もう魔法使いたくない!てかもう興味もないわっ!」


ベシリと大地を叩く。

大地に罪はないけどな。

許せる精霊よ。

何もかもみーんな面倒なのが原因だ。

でも私はこの世界の魔法は使いたくないのであえて自然に喧嘩を売る。


ベシベシベシベシ______。


「マスター?そんなに嫌ならこの話はもう辞めましょうか?」


「いいや!もう最後まで言っていいよ!てか、最後まで言わないとわかんないや!ごめんね!」


そう言ってまた地面を踏みつける。


捻くれてんじゃねぇぞ精霊が?

天変地異如きで手のひら返してんじゃ意味ねぇだろがっ!

人を舐めてっと痛い目見るのそっちだからな?!覚悟しろよ!

上記の思いを踵に込めて今現在地面を踏みつけてます。


「い、いいえ。マスターがそれで良いのなら私は一向に構いませんが...。まぁ、続けますね?」

「おう。」


________グリグリグリ。



「条件とは、精霊の声を神官が代弁して試練を言い渡すのですが、、、。」


「最近の精霊は捻くれて、試練が試練の領域を超えてるー、でしょ?!」


「..........その通りです。」


「大丈夫だ。その分も今踏みつけてるから。」


「マスター、それの意味ありますか?」

「言うな。」




この行為に意味が有るか無いかはいつかわかる。






















おまけ



テッテレッレレーン!


ミラーは知識を得た!


賢さが30上がった!

力が0上がった!

魔力が0上がった!

素早さが0上がった!

(精神的)体力が100上がった!


魅力が200上がった!




ミラー・クロックスの現在のステータス!


力10

賢さ60

魔力0

素早さ10


魅力200


魔力は元々あったのを足した。






訳がわかんないよこの阿呆!もっと分かりやすくかけよ馬鹿野郎!

って方にご説明を。



精霊とは目に見えないどこにでもいる存在。

日本で言う八百万の神様みたいなもんです。

どこにでもいたり、古いものに宿ったり。

それがこの世界の精霊。


間違っても羽が生えてたりはしてませんのでご注意ください。

もしかしたら、、、何かは出てくるかもしれませんが、気軽に思っていてください。



魔力持ちについて、ですが。

まぁ主人公が言ったとおり精霊、自然の力を出せるようにするための機会ですかね?


え?分かりにくいわボケ?

すいません。作者も寝ぼけながら書いたので許してって、あ!空き缶は痛いから投げないで!


え〜じゃああれですよあれ。

人間は手のひらから火とか出せませんよね?

ではここで精霊登場。

え?いない?だって見えませんからね?


コホン。しつれい。

この世界の魔力とは、その人間が魔法を使った時に出る負担を代替わりしてるんですよ。

人間が直接火に触れたら、直ぐに火傷をしてしまうでしょう?

魔力とは、そう言った負担を代わりに受けてくれるんですよー。

便利ですね〜。

と思ったら危険ですからね。


本編でも書かれたように、魔力は器。

無理をすれば直ぐに魔力は尽きてしまいます。

自然の力はそんなに簡単なものじゃないんですよ?

人間なんてあっという間に自然の力に負けてしまうんですから、魔法を使えるだけでも凄い事ですよ。



あ、もう眠たくなったので、まーた来週〜。

空き缶はちゃんとゴミ箱に入れてかえんなさい。

それとー空き缶は人に投げてはいけません。

ここ絶対にテスト出すからそのつもりでー。



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