プロローグ
初めまして、初めての投稿でかなり緊張してます。
拙い内容ですが、楽しんでいただければ嬉しいです。
初めの方は恋愛要素が薄いと思いますが、ご了承ください。
しがない社会の一欠片。
自らを示す言葉はこれが一番しっくり来ると思う。
何か飛び抜けた才能があるわけではないし、性格もポジティブの部類には入らないだろう。容姿も平凡の部類に入っているはずだ。
少なくとも、不細工ではないと・・・思っている。
「どうせなら、もっと美人に生んでほしかった」というのが、両親への正直な感想。
父親譲りの高い身長と切れ長の瞳、母親譲りの癖のない黒髪は自慢できる点だと思っているが、どうしようもなく中途半端なのだ。
可もなく不可もなく、というレッテルが常に着いて回っているような中途半端な容姿。
通常なら仕方ないと、苦笑の一つでもして流せるようなこと。そんな部分にこれほどまでに悩まされる日々が訪れようとは・・・。
生まれて以来考たこともなかった。
目の前で両手を合わせて、キラキラと瞳を輝かせる美少女。
フードを目深に被り、顔を隠している自分。
何故、絶世の美人でないのか!自分!?
実に絵にならない!
今自分が立っているこの場所に、彼女に見合う美青年が立っていれば物語の一場面になること間違いない・・・!
けれど、悲しい哉。今、望まれる美青年はこの場に存在しない。
代わりに立ち位置に陣取るのは諸事情により、フードを取ることのできない自分。
また、フードを取ったところで絵にならないこと請け合いの自分。
フードの下を覗きこんでくる彼女が、非常に憎らしい!
全身からため息を吐けるというなら、是が非でもこの場面で活躍させたい。
「どうせなら、もっと美人に生んでほしかった」
この思いが両親に届くとこはないだろう。
けれど、どうしてもそう思わずにはいられなかった。