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birthday・time  作者: 架世 凪鎖
8/43

買い物デイズ

更新が早くなったり遅くなったり……となりますが本編再会です。

今回はTS物では定番っぽい買い物をテーマにしています。

楽しんでいってください。

「ふぁぁぁぁ。今日は休んで明日から……だったよね……。」

朝がきて、ゆっくりと目を開ける。自分の部屋とほとんど同じなのに違う部屋のように思えるのはあの制服が異様な雰囲気を出しているからだろう。

「下……降りよう……。」

着替えずに下に降りる。

「あ、おはよ~御蔭。昨日私何かしてたのかな?目が赤くって……。」

「なにも……なかったよ。」

「そっか~、それよりね、明日か明後日にお父さんたちが帰ってくるから……それまでここにいさせてね。色々付き合うから。」

ノノはそのまま朝食のトーストを焼いた。

付き合うというのは多分買い物の事だろう。今日は4月の中旬で、もう身体測定などの自分の体がどう変化しているか詳しく分かるイベントがとっくの前に終わってしまっていることだろう。それに女子に必須なものがまだ分かっていない僕にとってノノの存在はかなり頼もしく感じる。

「おはよ~。おっ、今日はトーストかぁ~、久しぶりだよ~。」

黒江はあんまり信用できないけれど。


買い物に行く前になにが足りていないかチェックする。

手間のかからない食材からチェックする事にした。

冷蔵庫の中には色々入っているが、やはり卵がない。

他にも牛乳が1本しかないとか豆腐を切らしていたりした。

野菜室にはそれなりの野菜は入っているけれどよく見ると玉ねぎが無かったので買うようにメモする。

冷凍庫には冷凍食品がほんの少し、後肉がかなりあるけれど賞味期限が切れそうなので今日と明日で使ってしまおうと思った。まぁ、男だった頃から小食だったのであまり食べられないかもしれないけど……。

買うものと安売りの物をメモに書いた。


次に僕の部屋に戻り、タンスの中とクローゼットの中を確認する。

タンスの一番上の引き出しにはブラやショーツなどが入っていて目眩がした。ランジェリーショップに行かなくていいかなーとも思ってしまったが、黒江がそれを見ると、

「あー、これ全部就寝用ブラだねー。これ普段は使えないよ?1つだけ普通のブラあるからそれつけておけばいいよー!!そしてブラは私がつけてあげるから!!さぁ!!その胸を揉ませ……。」

「ノノーこれって付け方違うか教えてー。」

昨日散々希亜に揉まれたためか、トラウマになってしまっている。いや、湯空に顔をうずめられるのはトラウマになってるわけ無いけど。

今日は白のワンピースを着た。すっぽりかぶる感じなので着るのは楽だった。

買うもののメモにブラを追加しておいた。一瞬安堵した自分を殴りたい……。


髪を溶かすのにはブラシがいいとノノに言われたので、僕はメモにブラシを追加した。他にもいくつかの化粧品なども買うことになった。髪の手入れなんて、男の時は寝癖を直すぐらいだったのに……。ちなみに風呂場はなぜか身に覚えのないシャンプーなどがあったので買わなくても良いかと思ったら大間違いだと、ノノと黒江にダメ出しされた。

なので詰め替え用もメモに書いた。


いよいよ外に出ようと思うと、ノノが、女物の靴の履き方が分かるか聞いてたけどなぜか普通に履けたので特に気にしないで買い物に出かけることになった。

 

僕たちは歩いて25分ぐらいの所にあるデパートに向かっていた。途中にスーパーがあり、そこに置いてあったチラシを1枚取った。デパートにも食品売り場はあるけれど少しスーパーより品が薄いからだ。デパートに入って最初に行ったのは……。


「ノノ、ホントに入んなきゃダメなの?」

「そうだよ。御蔭と同じぐらいじゃないんだから。うぅ……私もがんばってるのにぃ……。」

「ここは天国なんだ、私……いや、男子にとっては。」

拷問部屋と同じと思います。と、突っ込みたかった。

これまで会長に下着買ってこいと言われなくて良かったと思う。

「お客様、何をお探しですか?」

「この子のブラです。サイズは大体Dだと思うんですが念のため測ってください。」

「かしこまりました、ではこちらで測りますので……。」

「え、ちょっ!!たすけてぇ~。」

「大丈夫、女の子なら絶対に通る道なんだから。ボソッ、特に胸の小さい女の子はね……。」

え?なに?これって試練なの?

そう思いながら僕は店員さんに連れて行かれた。

放心状態で何個かブラジャーを購入する。

サイズがそこそこ大きいからか、けっこうな値段だ。

一回ATMとかに行ってお金降ろさないとなぁ……。

小説ではよく化粧品は高いという表記があるので、少し貯まっていた仕送りを使わないといけないと思った。

基本的に母親がいれば買いまくることもあるだろうけど今は仕送りを上手くやりくりしていくしかないので、食費を減らそうと思った。正直腹が膨れるのが早くなっているので減らそうと思えば減らせるだろう。

僕はブラを数枚買って2人のもとに向かった。


服はなぜか追加されたクローゼットに入ってる服やタンスの中のものがあるので買わなくても良さそうだ。

まぁ、突然男に戻ったら困るのが当然の状態なんだけどね……。この世界は僕が女になって戻れないことを実感させたいらしい。


ランジェリーショップから次のドラッグストアに行く前にATMのある所に行ってお金を降ろした。少し仕送りを増やしてもらおう。言い訳はノノに協力させてもらうとして、僕は諭吉さんを何枚か降ろした。正直に言うと、大学になるまで使わないかもしれない余分分の仕送りを使うことになるとはね………。 


ドラッグストアについた。

ドラッグストアは基本的に薬だけのイメージがあるけれどシャンプーなども売っているので万能だと思う。

「HIRAGIの詰め替え用と…。……、今まではブルーオーシャンを使ってたのになぁ……。」

ブルーオーシャンは一番安いリンスインシャンプーだ。

特に髪を気にしないでいたので安く済ませていたのだ。まぁ、HIRAGIも安い方何だけど……ブルーオーシャンの倍の値段だったので目眩がした……。あぁ、ブラシもここで買った。

安くて長持ちするものを選んでからレジに向かった。

「お客様、ボディーソープはメルーシュよりもエイトファブのほうがよろしいのでは?」

「いえ、メルーシュで大丈夫です。」

「お節介でしたか?えー、では会計を始めます。」

この人は多分美容系の大学に通っているバイトの人なんだろう。でもなぜか薬剤師的な免許も持っているのかと思って見てみるとバイトの求人広告には、免許があったほうが給料はあがるけれどなくても雇うことには雇うらしい。

時給は思ったより低いのでたぶんやらないなと思いながら僕はレジを危なっかしく操作するバイトを見てヒヤヒヤしながら会計を待った。今回は家にある化粧品をチェックしていなかったので、化粧水だけ買った。まぁ、乾燥するのはイヤだからだけど。


明日から普通に学校に通うのだが、筆箱などはちゃんとあったので安心していた。ちょうどシャーペンの芯が無くなりかけていたので、買っていこうかなと思いながらスーパーに入った。


そこはタイムセールと言う名の戦場と化していた。

入り口に立って唖然としていると、今日のチラシをみた。

「今日は肉の特売日かぁ……。」

肉ばっかりのタイムセールなので安心しようと野菜売場にむかった。荷物はノノに持ってもらって家に戻している。

途中で希亜に変わってでも持って行ってくれるだろう。

持ち物が財布だけになった僕と黒江は野菜売場で玉ねぎと今日安くなっているタケノコとほうれん草を狙って野菜売場へ走ったのだった。


結果、玉ねぎは5個ぐらい、タケノコは必要な2袋、ほうれん草も必要な分だけ手に入った。

野菜売場もそれなりの戦場になったのだ。

肉のタイムセールの勝者が肉とあわせるための食材目当てにとんできたのだ。玉ねぎはもう少し欲しかったが本命のタイムセールの勝者に圧倒され、持っていた5個をキープするしか無かったのだ。


肉のコーナーに行ってみるとタイムセールの敗者であろう大学生達の屍と、安売りになっていなかった肉と焼き肉のタレが残っているだけだった。大学生達は「タレだけで今日の焼き肉会すんのかよ……。」とか「ラグビーで全国行った俺って、こんなに弱かったのか……?」とか虚ろな目をしている。これからは少し遠くても肉は商店街の方のご贔屓にしている肉屋さんにしようと思う。お肉のタンタンと言う丹波先輩の親戚が経営している店だ。そうしないと肉を食べるのは難しいだろう。チラシを見ると週に4回のペースで肉だけのタイムセールあるらしいし。


食パンなどを売っているコーナーに行くと見慣れた顔があった。まぁ、彼女は多分黒江に気付いたんだろうけど。

「白龍さん!ここであうなんて珍しいですね。そちらの方は?」

そういった彼女は風紀委員副委員長で、僕と黒江のクラスメイトでもある織田おだ 蜜柑みかんさんだった。風紀委員とは言っても真面目にやっているのは委員長と委員長の弟ぐらいだ。他の人は服装検査の時に駆り出されるぐらいの役割だ。まぁ、そのぐらいでいいと思う。キッチリやっていたら疲れるのは向こうだし。

「いやー、この子はねー、私の親戚の友達でー、明日転校してくるのよー。可愛いでしょー。」

「や、やめてよ黒江~、そんなスキンシップは!!」

そうしていると織田さんが僕の耳に口を寄せた。

「ふぅ~。なんちゃって?あれ?黒江は耳弱いのにこの子は強いんだ。」

「なに私の弱点バラスのさ!!こうやられたら、さぁ、私の弱いところを見つけてごらんって、言って美少女に言ってあれこれしてもらう計画が阻止されちゃじゃん!!」

「親戚経由で昨日は泊まらせたけど今日は泊めなくて良さそうだねー、ピ・ポ・パっともしもーし、美咲?今から僕の家に行って黒江の荷物全部持って帰っといて。あ、うん、嫌かもしれないけど……、頼むよ、今度小学校のアルバムあげるから、最新の、この前母さんがもらってきちゃてさ、うん、ロリはないよ。ショタだけのだから。」

そして黒江を置いて、卵を買ったのだった。


帰ると、ノノが待っていた。黒江は織田さんに協力してもらって帰ってもらったので着いてきていない。


よく見ると美咲がいたので、話しかける。

「あ、御蔭さん、昨日ぶりですね、ところで、例のアルバムは……。」

そういえばいつ渡すか言ってなかった。だからすぐ貰おうと待っていたのかもしれない。

「ノノさんと話してたんですが、音が聞こえたので……、それより先輩、早く出してください。アルバムを!」

「あ、あったよー、美咲さん、六角男子保育園のアルバム……。」

「おぉ、神よ、宝を授けていただきありがとうございます!!あ、ちなみに私は姉のように直接手を出すような変態ではありませんからね!!」

「学校では確か図書室で本読んでることが多い文学少女みたいなイメージにしてるしな……。周りに完璧にイメージを崩さないのは才能だろ。」

どっちにしろ誰も見ていないところだと変態に近いからな……。まぁ、好みが自分より背が低い年下と言えばいいと言ったきりそれで誤魔化しているらしい。


今日買ったものを確認しているとノノが

「生理用品買うの忘れてた!!」と叫んでいる。

無くても何日か持つだろと思っていたけど……。

まぁ、保険の授業で習ったような症状イライラやだるさ

が無いので今は大丈夫だろう。まぁ、使い方はノノに教えてもらうことにして、今日はノノが昨日リクエストしたオムライスにする事になった。


そして今日ケチャップを使い切り、明日買わないとなぁ……と思ったのは別の話だ。

第3話でちょっろっと出てきた黒江の妹の美咲がまた出てきましたが、多分段々暴走していくと思います。

美咲の見た目は黒い髪で右側だけ三つ編みにしていて、もう片方は髪留めをしてるだけです。溶かすと顔が髪で覆われ貞子みたくなるからという雰囲気で、彼女は中学3年生です。

次回はまたもや定番だろうと思う転校初日……となります。

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